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出光興産創業家の訴訟代理人・浜田卓二郎氏が激白

出光と昭和シェル合併、公取委承認でも創業家は「合併はあくまで反対」「脱法あれば告発」

構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト

「合併は事実上断念されている」

――12月19日に公取委が合併を承認し、出光はロイヤル・ダッチ・シェルが所有する昭和シェルの株式を保有して筆頭株主となりましたが、これをどうみますか。

浜田卓二郎氏(以下、浜田) 昭和シェルが合併を前提にしない株を出光に持たれることは反対と言い続けてきましたから、買ってしまった株をどうするかという出光側の苦しみが始まると思います。

――10月には出光と昭和シェルが、合併交渉について無期延期を発表しましたが、これはどうなると思いますか。

浜田 10月13日の共同記者会見では、合併は無期延期にするということでしたが、無期延期ということは、別の表現をすれば、今回の合併計画は撤回するということだと理解しています。ただ、会見では記者から「延期はどのくらいの期間ですか。2年か3年ですか」という質問があり、月岡社長も亀岡社長もその場で否定されていました。 

 そのあと「それでは1年半、1年ですか」という質問には、「それよりはもっと短い期間です」と答えられていた。その無期延期と言いながら、なんでそんなに急ぐ必要があるのか、という疑問が脳裏に浮かびました。無期延期は4月に予定していた合併期日を延ばすために言っているのでしょう。しかし、「もっと短い期間」という話は、一体何を意味しているのかよくわかりませんでした。

――昭和シェル側の動向についてはどうですか。

浜田 昭和シェルの亀岡社長は、「出光と合併をしないのであれば、昭シェル株を買い取ってもらいたくない」と言っています。つまり「株の買い取りは合併が前提です」ということをはっきりおっしゃっている。記者会見の少し前に我々に入ってきた情報では、亀岡社長がオランダにあるロイヤル・ダッチ・シェルに行ったというのです。そこに行く前に、出光のほうでは臨時の取締役会がありました。それで記者会見をするという情報が伝わってきたのですが、結果的には亀岡社長がロイヤル・ダッチ・シェルから帰ってきたあとに記者会見が行われた。

――つまりどういうことですか。

浜田 私どもは次のように判断しました。つまり合併無期延期は、合併が無理だと判断したけれども、同時にロイヤル・ダッチ・シェルとの契約問題がある。そこで昭和シェルの立場としては、株だけ買われて合併しないという言い方は困るから、とりあえず延期にしておいて、その間に株の始末をつけようと考えているのではないか、と僕らは読んだわけですよ。だから、合併は事実上断念されている。

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