東京メトロ広報部の担当者からも「優先席は、ご高齢の方だけでなく、お身体の不自由な方、内部障害がある方、乳幼児をお連れの方、妊娠している方も含めて席をお譲りいただけるようお願いをしている位置付けなので、現状拘束力はありません」と、いずれも「拘束力はない」との回答が得られた。
では、仮に駅員や乗務員が優先席をめぐるトラブルに遭遇した場合、どのような対応をするのだろうか。各社の回答は以下の通りだ。
「車内でのお客さま同士のトラブルの場合には、状況によっては列車を降りていただくなどの対応をいたします」(JR東日本広報部)
「動画にあるような状況になりましたら、お客様に事情や状況をおうかがいいたします」(京王電鉄広報部)
「優先席には拘束力はないため、お客さまに優先席の趣旨をご理解いただけるようお願いをしております」(東京メトロ広報部)
鉄道会社の考える電車内の迷惑行為とは?
最後に、そのほかにどのような行為が電車内の迷惑行為に該当するのか、たとえば座席でにおいのきつい食べ物を食べている乗客に遭遇した場合、駅員や乗務員はどのような対応を取るのかについて、JR東日本広報部に聞いたところ、以下のような回答を得た。
「当社では、新幹線などにおける飲料・軽食・お弁当などの車内販売サービスも実施しておりますので、車内でのお客さまのご飲食を禁止しているものではありません。一概にはお答えできませんが、特にお客さまからのご意見が多いマナーについては放送などにより呼びかけを行うとともに、それ以外の事柄につきましても、周りのお客さまのご迷惑になると判断した場合には、適宜お声がけなどを行っております」(JR東日本広報部)
京王電鉄広報部も「弊社として、どんなものが迷惑行為であるという定義はしておりません」とした上で、「車内マナーへのご協力のお願いとしては、『座席は詰めてご利用いただく』『足を投げ出して座ることへの注意喚起』『優先席の譲り合い』『リュックサックは前に抱えてご乗車いただく』『ヘッドホンからの音漏れへの注意喚起』『車内美化(ゴミや読み終わった新聞や雑誌)へのご協力』……基本的には、以上について啓発放送などを実施しております」と、具体的な項目を挙げた。