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アークスはドラックストア大手のサンドラッグと提携し今年6月、共同出資会社を設立した。北海道や東北の食品スーパー市場では盤石のアークスも、ドラッグ市場では弱小勢力にすぎない。
ドラッグストアは主力の医薬品や化粧品だけでなく、生鮮を含む食品まで品揃えを拡大中だ。食品スーパーの中心領域へ進出してきた。食品スーパーにとってドラッグストアは、今や強力なライバルなのである。
アークスが正面から競合するのが、ドラッグストア大手のツルハHDだ。北海道から南下し、勢力を東日本に拡大している。アークスは東京西部地盤のサンドラッグと提携して、ドラッグ分野をツルハHDに対抗できる競争力のある店に育て、スーパーに次ぐ事業の柱に据えたい考えだ。
イズミは中国、四国、九州に限定し、M&Aを積極化
広島のイズミも注目だ。百貨店やGMSが苦戦するなかイズミの好調ぶりが目を引く。17年2月期の営業収益は前期比6.3%増の7108億円、営業利益は同8.7%増の347億円の見込み。買収した食品スーパーで商品の共同仕入れを進めてコストを削減した。
ただ、熊本地震で被災し休業を余儀なくされた店舗がある。その影響で特別損失を計上するため、純利益は135億円と前期比28.1%減を見込んでいる。
イズミは出店エリアを中国、四国、九州の3地区に限定し、地域に根付いたマーケティングを展開している。店舗では伸びしろのある食品売り場を拡張し、有力なテナントに入れ替えている。流通大手の既存店売上高が前年割れとなるなか、イズミは2~3%増のプラス成長を維持している。
イズミは消費人口の多い関西に進出するのではなく、九州にショッピングセンター「ゆめタウン」を構えたことで大成功した。M&Aにも積極的で15年にはスーパー大栄を傘下に収めた。九州ではイオン九州とイズミが2強を形成している。
大手流通のGMSの地盤低下が進むなか、地方の食品スーパー各社は1兆円企業へ向けてしのぎを削っている。
(文=編集部)
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