借金1千万の素人女性がなぜ美容ローラー開発で売上百億の大富豪に?きっかけは占い師との出会い!
この運命の出会いから、稲積氏の頭の中は「一財産」という言葉で一杯となる。口癖のように「一財産」と言うようになり、経営不振でお金がないときにも歌を歌うように口ずさんでいたという。
「私はこれを『夢に名前をつける』と言っています。夢に名前をつけると、自分の一部のようになります。『一財産』のように、短くわかりやすくつけることがコツです。当時の私は、それを無意識にやっていました。これは皆さんにおすすめする方法です」(同)
初期投資なしで商品開発
ある日、当時流行していたゲルマニウム温浴器の業者がサロンに営業でやって来た。業者がゲルマニウムの粉末を稲積氏の手にのせてくれた。その時、稲積氏の頭の中で、閃きが起きたという。その後大ヒットする、「ゲルマニウム美容ローラー」のアイデアだ。湧き出るアイデアを具体化するべく、稲積氏は次々と実行に移した。
「当時は粉末のゲルマニウムしかありませんでしたから、円筒状に固めるには専門家にお願いしなくてはなりません。それを理学博士の先生にお願いすることにしました。次は、円筒状に固めたゲルマニウムを持ち運びやすくしなくてはなりません。どうすればよいかと考えていた時、万年筆のような持ち手がいいのではないかと閃いたのです」(同)
美容器具と万年筆。一見するとまったく異なるモノだが、万年筆が使えると着想したところが、稲積氏の卓越した発想力だ。稲積氏は万年筆メーカーに企画を持ち込んだ。当時、万年筆は利用者が少なくなり「斜陽産業」と呼ばれていた。各メーカーも危機感から新商品開発室という部署をつくっていたが、打開策がない状況だった。そこへ稲積氏がまったく新しい発想のアイデアを持ち込んだことで、話はトントン拍子に進んでいった。
もともと、万年筆というのは手に負担がかからないようにデザインされている。新商品は万年筆の軸をそのまま利用でき、金型も新しくつくる必要がなかった。そのため、稲積氏は初期投資ゼロで商品開発ができたのだ。
アイデアの着想から順調に開発は進み、2000本を製造したが、当初はまったく売れなかったという。どう売ればいいかもわからなかったが、稲積氏は開き直り「素晴らしいことが起こると信じよう」と思うようにしたという。
瞬く間に100億円売り上げ
しばらくすると、知人を介して淡谷と会う機会を得た。これをチャンスとばかりに稲積氏が淡谷に「ゲルマニウム美容ローラー」をプレゼントしたところ、気に入ってくれた。そこですかさず稲積氏は大胆な提案をした。