衣料品や雑貨などを個人が売買するフリマアプリは、若者や女性を中心に急拡大している。16年12月のダウンロード数は国内4000万、米国2000万の合計6000万を突破。1日の出品数も100万品を超え、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。月間の流通金額は100億円に達している。
メルカリの設立は13年2月で、資本金は125億円。三井物産が出資したことで話題となった。山田進太郞社長は「IPOを視野に入れている」と繰り返し発言している。
商品の購入を希望する人は、メルカリに代金を支払う。入金を確認すると売り手に連絡して、商品が配送される。買い手に商品が到着すると、代金が売り手に渡る仕組みだ。代金の10%をメルカリが手数料として受け取る。
個人同士の取引は、商品の質や代金をめぐるトラブルが生じやすい。「(メルカリの)ビジネスモデルは、上場に耐えられるほど確立しているのか」と指摘するアナリストもいる。上場前から人気は高いが、果たして、すんなりと上場でき、株価が大化けすることになるのか、注目される。
期待高まる「一風堂」
博多とんこつラーメン店「一風堂」を運営する、力の源ホールディングスは、3月下旬にも東証マザーズに上場する見通しだ。
1985年、創業者の河原成美会長が福岡市にラーメン店を開いたのが始まりで、現在国内に81店展開している。16年3月期の連結売上高は、前期比17%増の208億円。海外が成長を牽引している。08年、米ニューヨークに出店したのを皮切りに、中国やフランスにも出店し、海外では60店を展開中だ。日本食ブームに乗って、食のグローバル企業への飛躍を目指す。
また、外食では串カツ田中が16年9月、東証マザーズに新規上場した。1カ月後の10月14日に9090円という、信じられないような高い株価をつけた。一風堂に2匹目のドジョウを期待する個人投資家は多い。
多種多様なベンチャー企業
新素材・人工クモ糸のバイオベンチャー、Spiber(スパイバー)のIPOへの期待は2年越しで高い。創業者の関山和秀氏が慶應義塾大学在学中に人工クモ糸の開発に着手。07年に同社を設立。鋼鉄の340倍の強度を持つ合成クモ糸繊維の実用化に取り組んだ。