ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は3月18日、「リ・ボーン!さあ、やり過ぎよう、生き返ろう」をテーマにした15周年イベントをスタートさせた。
図らずも2015年11月にはグレン・ガンペル氏が社長を退任し、ユニバーサル・パークス&リゾーツ(UPR)のジャン・ルイ・ボニエ CFOが就任。主要株主はゴールドマン・サックスなどから51%の株式をUPRの親会社で米国メディア大手のコムキャストが15億ドル(約1830億円)で取得。USJの経営体制もリ・ボーンした。
そんなUSJを体現したような「リ・ボーン」イベント。目玉の新アトラクション「ザ・フライング・ダイナソー」には来場者が殺到、わずか1時間弱で受け付けを終了した。2015年度の来場者数は史上最高の1370万人に達する見通し。16年度はさらにその勢いを増しているようだ。
なぜUSJはこれほど急成長を遂げることができたのか。
「矢継ぎ早に新しいアトラクションを打ち出し、顧客を引き付ける。あそこに行けば必ず楽しめるという思いを印象づけることで、それがブランドとなり、リピーターを呼んでいるのではないでしょうか」(エンターテイメント業界関係者)
破綻と再生
ユー・エス・ジェイは01年3月、 テーマパークのUSJを開業させ、初年度の来場者数は1102万9000人と世界で最も早く1000万人超えを実現したが、 事故などで業績が悪化、02年度は764万人にまで激減した。04年には事実上の破綻に陥っている。そのとき米国ユニバーサルから招聘され社長に就任したのがグレン・ガンペル氏だった。
当時の改革についてガンペルは08年8月、筆者のインタビューで次のように語っている。
「リファイナンス(借入金の借り換え)を実行するのと同時にコスト構造の見直しを進めていかなければなりませんでした。業績を重視しないというこれまでの企業風土も、業績を重視し株主価値を高めるという企業風土に変えていかなければなりませんでした。さらにテーマパークのポジショニングの変更も必要だと考えました。必要な客層、コアターゲットをしっかりとおさえていくためにはターゲット層を変更していく必要があったからです」(出典は以下:
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/person/interview/080805_usj1/)
ガンペルはゴールドマン・サックスからの資金調達に成功、さらにクロスファンクショナルチームなどを組織して、社内の問題点を洗い出し改革を実行。07年3月には東京証券取引所マザーズへ上場を果たした。09年5月にはSGインベストメンツによるTOBが成立し、09年9月に東京証券取引所マザーズ上場を廃止した。