粗悪な業者を排除する
(3)実際に家に来て最終見積もりをしてもらう
引っ越しの際、最終的な見積もりは、引っ越し業者の営業担当者が実際に家に来て、荷物の量や種類を確認して確定します。基本的には、その場で見積もりを出していきます。ここで、先につくっておいた「持っていくもの、処分するもの」のリストが活躍します。
意外と忘れがちなものとしては、自転車や自動車の予備タイヤなど、マンションの場合はベランダや共用部に置いているもの、一戸建ての場合は物置や庭に置いてあるものが挙げられます。また、エアコンを新居にそのまま持っていく場合、取り外しや設置についても確認が必要です。業者によっては、工事はオプションになります。
見積もりをした営業担当者は、ほぼ例外なく「今すぐ決めれば、この金額ですが、後になるとわかりません」といった趣旨の発言をし、即決するように迫ってきます。特にネットで一括見積もりした金額より安かった場合には、そのまま契約してしまいたくなりますが、少しでも安くするためには、何社か比較したいところです。
そこで筆者は、同じ日に見積もりをお願いする業者を呼ぶようにしました。そして、その日の最後の業者が帰ったら、すぐに回答を出すのです。すぐに契約するように促してくる営業担当者に対しては、「今日、何社か見積もりをお願いしているので、今夜まで待ってほしい。必ず今日中に回答する」と告げるのです。
ここで、「今すぐに返答しないとダメ」「夜まで待てない」という業者は、その場で断りました。なかには、その場で契約しなかったことに腹を立て、暴言を吐いて帰った担当者もいました。「今日の○時ぐらいまで回答を待ってほしい」といった、こちらの最低限の要望を受け入れてくれない業者は、実際の引っ越しに際しても、融通が利かない業者の可能性があると判断できます。営業担当者は会社の“顔”ですから、その担当者の対応が悪いということは、現場の人材も推して知るべしです。
また、見積もりは金額ばかりではなく、内容も見て総合判断で決めることが必要です。例えば、「基本の引っ越し代は最安値だが、エアコンの取り付け費用が別で高い」「荷物の総量が決まっていて、それを超えたら割高な追加料金がかかる」「引っ越し用の段ボール数が少なく、追加は別料金」などという点もチェックしなければなりません。
現地での見積もりは数多く取るほうがいいのですが、10社も来てもらうのは何日もかかりますし面倒で対応しきれません。逆に、たった2社くらいでは1社の対応が悪い場合、残りで決めなくてはならなくなり、選択肢が少なすぎます。筆者の経験からすると、5社ぐらいが妥当だと思います。
こうして現地見積もりをしてもらい、もっとも条件と費用のバランスが良い引っ越し業者へ正式に依頼しましょう。