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東芝崩壊への道筋
綱川社長からは、原子力事業における損失発生の概要と対応策が発表された。
16年第1~第3四半期(4~12月)連結決算に反映する原子力事業の損失は7125億円、営業損益は5447億円の赤字と見込まれる。損害に対する経営責任を取り、原子力事業を統括してきた志賀重範会長は、取締役・代表執行役を辞任、WH会長でエネルギーシステムソリューション社長のダニー・ロデリック氏は社長を解職、綱川社長は月額報酬を90%返上、原子力事業部長である畠澤常務は月額報酬を60%返上する。
原子力事業における巨額損失の要因は工事コストの増大だったとして、海外の新設プラントについて、今後は土木建築部分のリスクは負担しない方針が明らかにされた。国内の原発事業に関しては、再稼働・メンテナンス・廃炉を中心に、社会的責任を継続して果たしていくとのことである。
事業の中期的な考え方として「豊かな暮らしを支える社会インフラ」「すべての活動を支える安全でクリーンなエネルギー」「社会を支える電子デバイス・ICTソリューション」の3つが上げられたが、「決算発表延期」「内部告発」「巨額損失」の3つこそが頭に響く、東芝崩壊への道筋を感じさせる会見であった。
(文=深笛義也/ライター)
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