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【パターン3 これまでと同様に乗せる】
これは、私のような「東京大好き・区域外の乗客もウェルカム」という運転手のケース。区域外の乗客を無視して得意のエリアに入るより、流し営業に切り替えたほうが営業収入は確実に上がる。
なぜなら、千葉の高速利用客や万シュウ(運賃1万円以上)客は全体の1~2%ほど。50分の1の確率を狙って猛ダッシュするより、少しでも空車時間を減らすほうが、長い目で見れば営業収入アップにつながるからだ。
もともと、私は都内でタクシー運転手の営業テクニックを覚えたため、都内の地理にも明るい。そのため、都内で乗客をつかまえるのに抵抗はない。
2月上旬。東京・亀戸の蔵前橋通りを走っていると、若いカップルの手が挙がった。「はい、ど~ぞ~」とニコニコしながらメーターを押した瞬間、「あれ、410円じゃないんですか?」と聞かれたが、咄嗟に対応した。
「すいませ~ん。実は千葉のタクシーなんですが、帰る方向なのでお乗せしちゃいました。ごめんちゃい」
この言い方がウケたようで、彼氏がケラケラと笑い、彼女も「かわいい」と車内が一気に明るくなった。それがきっかけで話が弾み、降車時には「お釣りはいいです」とチップも置いていってくれた。
また、実は乗客にとっても千葉のタクシーのほうが得になる場合もある。なぜなら、千葉のタクシー運賃は改定前の東京のタクシーとほぼ同じため、料金にして2000円以上乗る場合は「実質値上げ」の東京のタクシーよりも安くなるからだ。
乗客にとっては、どこのタクシーであろうと、無事に目的地に行ければ問題はない。これらの事情をきちんと説明すれば、多くの乗客は「なるほど」と納得してくれる。
(文=後藤豊/フリーライター)
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