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熾烈な再編戦争のホームセンター業界、ドラッグストアに客流出が深刻化…対抗から提携へ

文=編集部

 しかし今年1月5日、DCMの久田宗弘社長はケーヨーを完全子会社にすることを断念すると発表した。その代わりに、ケーヨーが実施する69億円の第三者割当増資をDCMが引き受けた。この結果、DCMはケーヨーの発行済み株式の19.29%を保有する筆頭株主になった。それでも、ケーヨーを完全子会社にして業容の拡大につなげる成長戦略は頓挫した。

 千葉県を本拠とするケーヨーは、千葉、長野、埼玉、東京、静岡などで183店を展開している(17年12月22日現在)。店舗の大型化の流れに乗れず、16年2月期決算は43億円の最終赤字だった。ホームセンターのなかでは日用品や消耗品の比率が高く、ドラッグストアやディスカウントストアに客を奪われたことが響いた。16年2月期の既存店売上高は、7.1%減と大きく落ち込んだ。

 その後、日曜大工や園芸、ペット用品の構成比率を高めたこともあって、16年3月~17年1月までの既存店売上高は6.5%減と減少幅がやや縮小した。17年2月期の売上高は5%減の1500億円だが、営業利益は11億円(前期は1億6000万円)に改善。純利益は10億円の黒字(同43億円の赤字)に転換する見込みだ。

 ケーヨーはイオンと資本提携しており、イオンが5.97%の株式を保有している(16年8月末現在)。そのため、イオンの傘下に入るのではないかと観測されてきた。ところが、今回、第三者割当増資でDCMが筆頭株主となったことで、イオンの持ち株比率は5.45%に低下した。今後は、ケーヨーをめぐってDCMとイオンの綱引きが活発になることが予想される。

“弱者連合”と揶揄されたDCMがM&Aで快走

 ホームセンター業界は、2000年代に入り市場の成熟化で売り上げの伸びが止まった。日本DIY協会の統計によると、ホームセンターの年間売上高は03年度(04年3月末)まで着実に増え3兆9210億円を記録したが、その後は足踏みが続いた。15年度は店舗数4650店で売上高は3兆9530億円と、4兆円になかなか届かない。

 一方、ドラッグストアの市場規模は、03年度までは4兆円弱とホームセンターと拮抗していた。日本チェーンドラッグストア協会によると、現在の店舗数は1万8782店で、年間売上高は6兆1139億円(16年6月1日現在)と、ホームセンターに2兆円以上の差をつけた。

BusinessJournal編集部

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