ホームセンター最大手のDCMホールディングスの業績が好調だ。2017年2月期の連結売上高は前期比2%増の4472億円、営業利益は5%増の193億円、純利益は3%増の109億円の見込みだ。年間配当を従来予想から2円積み増し24円とする。普通配当を増やすほか、創立10周年の記念配当1円を実施する。前期の年間配当は21円だった。
東日本大震災の復興需要があった12年2月期の連結営業利益は過去最高の197億円だったが、17年2月期はそれに次ぐ高水準である。
一方で、ドラッグストアとの競争激化で日用品の販売が落ち込み、既存店売上高は水面下に沈んだままだ。16年3月~17年1月の既存店売上高は、毎月前年割れが続き、累計で4.6%減となっている。
M&A(合併・買収)を積極的に進めてきたことが業績を下支えしている。15年7月に、青森を地盤とする中堅のサンワドー(現DCMサンワ)を傘下に収めた。16年8月には流通大手のユニー(現ユニー・ファミリーマートホールディングス)からホームセンター8店舗を買収した。
16年12月、山梨県地盤のくろがねや(現DCMくろがねや)を株式交換で完全子会社とした。こうしたM&Aが業績に寄与し、既存店売上高は前年割れながら好業績を維持できている。
買収断念、筆頭株主に
DCMの成長戦略の柱はM&Aだ。さらなる規模拡大を目指して、業界6位で関東が営業地盤のケーヨーにM&Aを仕掛けた。
DCMは16年4月5日、ケーヨーと経営統合すると発表。株式交換方式でケーヨーを完全子会社とする方針で、17年4月末までの契約締結を目指し協議するとした。
両社を合算した売上高は約6000億円となり、業界2位のカインズ(非上場)の約3900億円、同3位のコメリの約3200億円に大差をつけることになる。
ケーヨー買収の目的は、悲願としてきた関東地方への本格進出である。DCMは北海道のホーマック、中京のカーマ、四国のダイキなどを傘下に収めたことにより、全国に655店舗を展開している。だが、東京、千葉、埼玉、神奈川の首都圏には20店舗しか出店していない(16年12月1日現在)。ケーヨー買収は、最大の市場である首都圏に強固な拠点を築くための試金石だった。