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「世界の陣取り合戦は終わった」。LINEの出澤剛社長は昨年の上場会見で、こう語っていた。欧米に進出したが、フェイスブックに太刀打ちできなかったことから、グローバルプレーヤーとしての敗北宣言に等しかった。
それでも、LINEは日本国内で圧倒的なシェアを誇るため、アナリストは通期で230~240億円程度の営業利益を見込んでいたが、蓋を開けてみたら営業利益は198億円。これが失望売りにつながった。
期待はずれに終わったのは、牽引役だったゲーム事業が失速したためである。ゲームの利用者は16年10~12月の累計で2650万人と、前年同時期に比べて540万人減った。通期のコンテンツ全体の売上収益は447億円で前期比9%減となった。収益の柱はゲームから広告へ完全に交代した。
企業向けとアジアに活路を求める
LINEは今後、企業向けと海外に活路を見いだそうとしている。そこで、企業向けのコミュニケーションサービスに参入する。
もうひとつはアジアだ。強豪が立ちはだかる欧米では白旗を掲げたが、日本、タイ、台湾、インドネシアでは大健闘している。昨年12月末のMAUは、日本では6600万人で9月末より200万人増えた。ほかの3カ国・地域の合計は1億100万人で300万人増加した。
今では、この3カ国で日本の1.6倍の事業規模に育ったが、だからといって3カ国の利用者の増加がストレートに売り上げにつながっているわけではない。売上比率は国内が73%と大半を占め、海外は27%にとどまる。3カ国で、日本のように利用者ひとり当たりの売り上げを伸ばすことができるかどうかにかかっている。
17年12月期の連結業績予想は、スマートフォンのアプリ市場の先行きが見通しにくいという理由で公表していない。アジア3カ国がドル箱となるか、それとも依然として国内で稼ぐドメスティック企業にとどまるかの別れ道だ。
(文=編集部)
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