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取引銀行の「足並み」に乱れも
これまでは東芝は、巨額の損失計上により債務超過や上場廃止になるかどうかが注目されてきた。極端な話、債務超過に陥っても、資金繰りさえなんとかなれば、手形の決済などに行き詰まるなどして倒産することはない。
しかし与信枠を絞る動きが連鎖すると、東芝の手元流動性は逼迫し、資金繰りは厳しくなるのは避けられない。企業の活動にとって現金は「血液と同じ」といわれるが、東芝ほど経営が悪化した企業にとって現金の流出は、命そのものが流れ出ているのと同じだ。
東芝の資金繰りに直接的な影響が出てくるなかで、その支援に向けて取引銀行は足並みを揃えたままでいられるかどうか。そして半導体事業の切り売りで首尾よく必要額を調達できるかどうか。東芝のように図体が大きい企業が評点を下げられてもなお、社会インフラのように一つひとつの取引が大きくなりやすい事業を続けられるかどうか。
その前途は、まだまだ茨の道が続く。
(文=山口義正/ジャーナリスト)
●山口義正
ジャーナリスト。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞記者などを経てフリージャーナリスト。オリンパスの損失隠しをスクープし、12年に雑誌ジャーナリズム大賞受賞。著書に『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)。
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