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これ以外にも理事・経営戦略本部アクセラレーション室長、理事・TCS本部長のほか、EV・パワートレイン技術開発本部や調達管理本部の部長クラスといった幹部クラスに日産出身者を相次いで派遣している。
不満のマグマ
日産は表向き三菱自との連携を強化するため、執行役員や部長などを相互に派遣するとしていた。三菱自から日産に幹部が派遣されるのは、小糸栄偉知グローバルアフターセールス本部GAS事業企画部長のみで、インドネシア日産の社長に就任する。しかし、小糸氏は三菱商事出身で、三菱自には出向していた。しかもインドネシア日産の社長に就任する前に三菱商事に戻ってからの派遣となる。
三菱自のプロパー社員がルノー日産・三菱自グループで活用されていないことや、執行役員数が減らされて出世のハードルが上がったことに三菱自の社員には、不満が高まっている。そもそも三菱自には、燃費不正問題の発覚で弱っていたとはいえ、業績面で大きな影響を受けていたのは販売台数全体の1割程度しかない日本だけ。三菱自はとくにアジアに強く、業績も燃費不正関連の処理費用を除けば順調で、特段に日産出身者のほうが優秀というわけではない。また、三菱自の社員にも「三菱財閥」としてのプライドもある。
「パートナーシップによりグループは継続的に大きなシナジーが創出される」(ゴーン氏)とする日産の思惑に反して三菱自社員には不満のマグマが溜まり続けており、今後、グループ連携に深刻な影を落とす可能性がある。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
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