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カギ握る政府の姿勢
「今回の東芝問題で、“火中の栗を拾う”かたちで監査法人を引き受けたPwCあらたにとって、絶対に監査上の問題が発生することは許されない」(監査法人幹部)
その上、ロンドンとニューヨークを中核とするPwCにとって、東芝問題の根源は米原発子会社ウエスチングハウス(WH/3月29日に米連邦破産法11条の適用申請)だ。当然のことながら、米国サイドの思惑が絡み合ってくる。
今回の16年第3四半期報告書では、PwCあらたが監査意見を不表明とした理由について「実施した調査の評価を継続中」「評価が終了していない調査事項がある」という説明がそこかしこに見られた。
「PwCあらたでは、監査は終了しないのではないか。東芝とPwCが折り合いを付けるのは難しいだろう。監査法人を変更して、再度一から監査をし直すのもひとつの方法ではないか」(メガバンク担当者)
メガバンクが東芝の問題について懸念を持っているのが、政府の姿勢だ。
「これまで日本を代表するような企業の経営危機には、必ず政府が介入してきた。ダイエーの経営危機の時には、ほとんど首相官邸主導で再建策がつくられたといってもいい。しかし、東芝問題ではほとんど政府の介入はない」(同)
政府の介入は、経営危機にある企業を支援することに対する“お墨付き”のようなもの。東芝の再生に政府も本気で取り組まないと、「民間だけではリスクを取りきれなくなり、支援を投げ出す可能性すらある」(同)。
果たして、東芝に再生の道は残されているのか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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