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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

吉田カバン、圧倒的使いやすさの裏に、あらゆるシーンで気の遠くなるほど使用検証→改良

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

人生の一部を過ごす“仲間”としてのカバン

吉田カバン、圧倒的使いやすさの裏に、あらゆるシーンで気の遠くなるほど使用検証→改良の画像4女性向けカバン「ポーターガール」)

 本連載の過去記事でも紹介したが、最近はスーツ姿でリュックを背負って通勤する人が増えた。

「丸みを帯びた形だけなく、四角いタイプのリュックも増えました。書類が曲がらずにきちんと入るという長所が大きいと思いますし、カジュアルさが薄まるのも人気の理由だと思います。この傾向は今後も続きそうです。両手が自由になる利便性があり、たとえば急な雨で傘を差す場合でもストレスが少ないのではないでしょうか」(同)

 ちなみにカバンの売れ筋の色は、男性では「ブラック」が圧倒的だが、吉田カバンには遠目には黒に見えても、近くで見ると微妙な色合いになっていたり、迷彩柄を用いたデザインもある。女性用には「ポーターガール」というレディースラインで訴求しており、色はブラック、ネイビー、グレーが売れ筋の色だという。このほかの展開色には柔らかいイメージのベージュやピンクもあり、差別化を求める人には人気のようだ。

 こうして考えると、入れる荷物、使い勝手、軽さ、丈夫さ、デザイン性などの視点で選ぶのがよいが、価格の問題もある。値段についてはその人の予算次第だが、すぐに壊れて「安かろう悪かろう」にならないよう、ショルダー部分の強度を確認するなど事前チェックもしたい。そこから先はカバンに対する思い入れによっても異なる。

 筆者の仕事仲間のなかには、若手社員時代から吉田カバンを愛用しており、何回も買い替え続けた50代の男性もいる。筆者はそこまでの愛好家ではないが、1990年代に毎日のように愛用したポーターの限定シリーズを今でも保管している。吉田カバンは自社商品の修理に応じることでも知られているが、なかにはボロボロになったカバンの修理依頼もある。人生の一部を一緒に過ごした“仲間”としてのカバンに愛着を持つ人は多いのだ。

 そうした視点で考えれば、経年変化でも味わいが出そうなカバンを選ぶのもひとつの方法かもしれない。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

『吉田基準』 「吉田基準」という言葉は、吉田カバンの製造に携わる、職人さんたちの間で自然発生した言葉です。数値化された品質基準マニュアルなどはありません。では、なぜそう呼ばれるようになったのか―。 amazon_associate_logo.jpg

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