3ショップとも毎月堅調に売上が伸びていますが、こうなると新たなチャネルでの運営がされるのかが気になるところです。さすがに「vanilla」では、「(生理は)女性にしかわからない問題ですし、そもそも実店舗での購入が苦手な女性にフォーカスしているので」(同社)ということで、オフライン出店は考えていませんでした。しかし、「悩みや工夫を共有する場を提供することを考えている」(同)ので、例えば会員限定のコミュニティを形成したり、会報誌・メルマガの発行によるサービスの拡充は今後も行われていくでしょう。
SAKELIFEは、「共同購入サービスではないが、もともと酒屋を営業しており、オンラインショップは酒屋の対面販売の延長線上であると顧客に説明しています。2013年3月から渋谷で居酒屋を開店し、順調に売上を伸ばしています」(同社)とのことで、着実に規模を拡大しています。オンラインで購入した日本酒について、実際に店舗を訪れて、仲間と飲んだり、酒に合うつまみを食べたりできるし、居酒屋で飲んでみて気に入った日本酒が毎月手に入るとなれば、新たな顧客獲得につながるので、オフラインとオンラインの双方向から顧客を獲得できる仕組みが整っています。
BoxToYouでは、出品の場を提供する「ハコ」の運営者として、「将来的には、展示会のようなかたちで出品者が集まって定期サービスの受付をしたり、商品販売を行うようなイベントを行いたい」(同社)と意気込んでいます。確かに、よくデパートで見かける物産展だとその場限りで売ったら終わりとなってしまいますが、定期購入サービスなら、利用者が申し込んでからも出品者とコミュニケーションが活発にできますし、出品者の目利きも良くなるので、イベント開催は利用者・出品者の双方にメリットがあるといえます。
●まとめ
いずれのショップも、既存の大手ネット通販と異なり、低価格で大量に販売するというより「利用者に喜んでもらいたい」「もっと楽しく生活してもらいたい」という思いが強いように感じます。毎月利用者が増え続けていることからも、定期購入サービスを待ち望んでいた人も多かったのでしょう。
特に、その道のプロが厳選したものであれば、安心して購入できます。もちろん、毎月決まった頃に宅配便で届いて実店舗に行かなくてよい手軽さも相まって、今後急速に伸びていくビジネススタイルとなるでしょう。
(文=久我吉史)