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2023.07.07 00:14
2017.05.19 00:12
有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」
「いきなり!ステーキ」、あり得ない低価格の秘密…ラーメン店が味と共に重視すべき要素
昨今、飲食店をはじめ、どの分野にもライバルの多いご時世ですので、商圏調査を第一に考えたほうがいい時代になっています。最近では昼夜それぞれの人口、年齢層、周辺環境、競合店の有無など、さまざまなことをリサーチしてくれる調査会社もありますから、自力で調べるのが難しければそういったところの活用も選択肢の一つですね。
――競争相手も鑑みなくてはいけないとは、価格設定はやはり難しいものだという印象です。
有馬 はい。ひとつの要因に偏って価格を決定することは好ましくなく、市場環境に対応するバランス感覚は必須といえるでしょう。短期ならともかく、継続的に店舗や会社を維持するためには、顧客が期待する以上の価値を提供し続けなければなりません。あくまで製造原価は経費の一部であり、会社運営はトータルのコストで考える必要があります。そして、需要を予測して競争に対抗できる価格の模索が常に求められるということです。
――ちなみに、有馬先生から見て、価格設定がうまくいっている商品や店舗はありますか?
有馬 最近ですと、立ち食いステーキ店の「いきなり!ステーキ」などは巧みな戦略を実行しているという印象です。決してコストの低くないステーキという商品ですが、立ち食いという形式で回転率をよくして価格を抑えています。また、菓子メーカーのカルビーや湖池屋は、じゃがいも不足で販売を休止する商品が出ていますが、ポテトチップスの需要が高まることが予見されても売価を値上げしないところにプライシングへの良心が窺えます。自社商品のプライスラインをしっかり認識しているからこそ、価格を据え置きにできたのではないでしょうか。
――価格からも企業の姿勢が垣間見られるわけですね。ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)
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