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無印良品、密かに大量の中国人「囲い込み」一大計画始動か

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

訪日中国人客の獲得がカギか

 政府は日本を観光立国にするべく、東京オリンピックを開催する20年までに、訪日外国人旅行者数を4000万人にするとの計画を発表している。日本政府観光局によると、16年の訪日外客数は前年比21.8%増の約2400万人だ。観光庁によると、訪日外国人の16年の平均泊数は10泊で、観光・レジャーを目的とした人に限っても6泊もしている。宿泊への支出は1人あたり約4万2000円で、総額の推計は1兆円を超える。今後はさらに拡大することが見込まれるため、外国人観光客向けの宿泊ビジネスは有望といえるだろう。

 特に有望なのは、言わずもがな中国からの訪日客だ。16年は637万人で、全体の26.5%を占めトップだ。宿泊支出の推計は約2800億円で27.7%を占める。中国人による爆買いが叫ばれて久しいが、宿泊面においても多額の支出を行っている実態が浮き彫りとなっている。

 無印良品は訪日外国人を取り込むために免税対応店舗を拡大している。17年2月末時点で71店ある。免税対応店は好調で、17年2月期の免税売上高は45億9500万円で構成比は8.5%、都市部や空港近くの店舗では10%以上になるという。免税客数は37万人を超え、構成比は2%だ。客単価は1万2000円を超える。2年目での数値としては上出来ではないだろうか。そして、訪日外国人に期待してもいいと思える数値だろう。

 一方、無印良品は中国で出店が加速している。17年2月末の店舗数は200店で前年同期から40店純増した。日本国内の418店に次ぐ規模で、18年2月末では30店純増の230店を計画している。中国で急速に店舗数が増えている状況だ。17年2月期の中国事業の売上高は549億円で前年比10.5%増と大きく成長している。

 無印良品は日本でももちろん人気があるが、中国でも大変な人気があるブランドだ。無印良品特有の「シンプルで高品質」という価値が中国でも認められている。ブランド品の偽物が横行し、経済成長に伴って豪華さがもてはやされる風潮があるなか、無印良品の価値が際立つことになっている。こうしたこともあり、無印良品は多く中国人に認められていったと考えられる。いずれにしても、無印良品は中国人の間でポジティブなイメージが広がっている状況だ。

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