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無印良品、密かに大量の中国人「囲い込み」一大計画始動か

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 そうしたなか、良品計画は中国の深センと北京でホテル開業を計画している。今年度内にオープンさせたいという。無印良品の「シンプルで高品質」という価値が中国で開業するホテルでも応用できると踏んでのことだろう。日本と同じく、良品計画がコンセプトの提供と内装デザインを監修し、運営は深センでは現地企業の深業集団が、北京ではUDSが行う。

 以上の通り、良品計画は中国に造詣が深い企業だ。中国で開業するホテルで中国人の好みなどを把握し、その情報を日本で開業するMUJI HOTELに適用することができる。そうすれば、増加している中国からの訪日客を取り込める見込みは高まる。

 筆者は、MUJI HOTELが開業予定の銀座をよく訪れるが、銀座は多くの中国人で溢れかえっている。道を歩くと中国語がよく飛び交っている。そのため、銀座でのホテル開業は中国人を中心とした訪日客を取り込む狙いがあると考えられる。また、開業予定地の近くにある商業施設のマロニエゲート銀座にも中国人客は多い。訪日中国人が銀座にある大型商業施設に足を運んでいることがわかる。MUJI HOTELとマロニエゲート銀座は、共に読売新聞東京本社が事業主であるため、マロニエゲート銀座からの送客も期待できる。

 中国において、日本を訪れる中国人にMUJI HOTELを紹介することもできるだろう。200ある店舗網を駆使してPRすることができる。また、中国の旅行代理店などと連携して日本のMUJI HOTELを利用する旅行商品を開発し、販売することができる。中国で人気のある無印良品のホテルということであれば、旅行代理店も話に乗ってくる可能性は高い。こうしたことにより、中国からMUJI HOTELへ多くの訪日中国人を送り込むことができるだろう。

 もちろん、中国以外の国からの訪日客や日本国内の旅行者も期待できる。現状、日本のホテル需給は逼迫している状況で、これは今後しばらく続くことが予想されるため、宿泊ビジネスは有望だ。良品計画のホテル経営は、投資家の評判があまり良くないようだが、こうした理由により筆者は成功するのではないかと考えている。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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