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ソニー時代から続く安曇野工場を活用
次に注目すべきは、PC事業に続くコア事業としてEMS(電子機器の受託生産)に参入したことだ。VAIOが保有する長野県の安曇野工場を利用し、他社ブランドのロボットやスマートトイ、電子楽譜の製造を請け負ってきた。
一般に、EMSにおける生産者は黒子の存在だ。だがVAIOの場合、逆にクライアントがVAIOの名前を出したくなるほど、ブランド力があるという。その背景には、ソニー時代から安曇野工場が積み上げてきた技術と信頼がある。
ロボットの生産といっても一朝一夕に可能になるものではないが、安曇野工場はかつてロボット犬として一世を風靡した「AIBO」の工場でもある。こうした過去の資産をフル活用することで、「普通はこんなに簡単にいかない」と吉田社長も舌を巻くほどの成功を収めたというわけだ。
安曇野工場で生産されたロボット製品
今後のVAIOは、中国市場でのPC販売再開や、VRソリューション事業に乗り出す。吉田社長は目指す方向を「VAIOブランドの価値を高めること」と断言し、説明会の最後には「お店に並ぶのは海外ブランドばかり。もっと日本のブランドにも輝いてほしい」と檄を飛ばした。
その上で、そろそろVAIOにはソニー時代のような突拍子もない製品を期待する声も増えている。世の中のニーズに応えるだけでなく、誰も思いつかなかった製品を世に問うこともまた、VAIOブランドの役割だろう。
(文=山口健太/ITジャーナリスト)
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