消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
それによって同社は、企業や消費者に関する膨大なデータを得ることができる。それが、従来のコンピューターでは分析しきれないほどの容量を持つ“ビッグデータ”の獲得を意味する。オンライン・ショッピング、クラウド・コンピューティングなど、ビッグデータの獲得につながる事業は今後も増強されるはずだ。このビッグデータを分析することで、アマゾンは人々の行動を解明し、新しいモノやサービスの開発につなげることを狙っている。
ビッグデータを制する者が競争に勝つ
ビッグデータとは、切っても切れない関係にあるのが人工知能(AI)だ。ビッグデータを使うためには、統計的な分析の処理を施さなければならない。そのために従来のコンピューターよりも処理能力に優れた装置=AIが求められている。
将棋の藤井プロがAIを用いて学習し勝利を重ねたことなど、その活用範囲は拡大している。アマゾンを使ったことのある方は、ウェブサイトやアプリがおすすめの商品を示すことに慣れているだろう。この機能を支えているのがAIだ。こうすることでアマゾンは、人々の関心を刺激し、消費意欲を高めるシステムを整備してきた。
アマゾンは、常にイノベーションを起こすことを目指している。そのためには、これまでにはなかった取り組みを進めなければならない。ビッグデータを解析すると、これまでには知られていなかった消費者の好みなどが解明される可能性がある。まさに未知の発見だ。
ビッグデータの活用とともに企業が直面する競争環境は大きく変化するだろう。いかにシェアを維持し伸ばすかではなく、需要を発掘しそれを利益につなげることができるか否かが競争を左右する。ビッグデータをもとにして、需要の創造をもたらす情報を手に入れた企業が競争に勝ち残る構図だ。米国の小売企業の経営者が抱えるアマゾンへの不安は、IT化にどう対応すればよいか考えあぐねていることと同義だ。
今後もビッグデータの活用は加速していくだろう。それに伴い、短期間でスタートアップ企業や新興国の企業が先進国の大企業を上回る存在感を示すこともありうる。特に、IT業界ではこの動きが顕著だ。アマゾンが競争に勝ち残るためにはさらなるネットワークシステムの強化が必要であることはいうまでもない。
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