窓際には、6席あるイートインコーナーがあり、買った弁当などをそこで食べることができる。駐車場に停めた自動車の中で食事をしなくても済むため、ドライバーたちが重宝しそうだ。また、カフェ代わりにもできるし、無料でWi-Fiも使えるので、ビジネスパーソンがちょっとした仕事をこなすために利用するケースも想定できる。
雑誌は、イートインコーナーとは入り口を挟んで反対側の窓際に設けてあった。スペースは従来とさほど変わらない。セブンでは雑誌や書籍の16年の売上高が、10年前の06年と比べて6割減ったという。そのため、新型店では中央の商品棚に移して規模を縮小する方針を示し、実際にそのようにした店舗もあったが、町田小山町店はそうではなかった。雑誌の扱いは試行錯誤中で、どのようにするのかまだ決めかねているのかもしれない。
日用品が充実しているのも特徴的だった。入り口から入ってすぐ右前方に、単品・5個セットのティッシュペーパーと、単品・12個セットのトイレットペーパーが山積みされていた。ティッシュペーパーなどは、一般的な狭い店舗では単品でしか置いていないことも多いので、セット品があるのは広い店舗ならではといえるだろう。ほかの日用品も充実しており、家庭の需要に即した品揃えといえる。
町田小山町店の店舗面積は従来の同型店舗より3割ほど広いため、広い敷地を確保できる郊外店での適用モデルとなりそうだ。
次世代型店舗でコンビニ市場シェア50%狙う
従来とは異なるこういったレイアウトに変更するのは、時代がたつにつれて客層や消費者ニーズが大きく変わってきているためだ。セブンでは16年度の段階で、購入客の50歳以上の比率は07年度比14.2ポイント増の40.0%、女性客比率は同5.1ポイント増の47.4%にもなるという。町田小山町店で通路幅を広くし、中央にある商品棚の高さが低くなったのは、増加している高齢者や女性の客が買い物しやすいようにするためだ。
カテゴリー別の売上高では、16年の冷凍食品は10年前の06年と比べて4.7倍、中華まんや揚げ物などのカウンター商品は2.6倍、日用品は1.2倍に増えている。一方、雑貨は3割減少、雑誌や書籍は6割減少した。こういった売れ筋の変化に合わせて、レイアウトの割り当てを変更するのだ。