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2023.05.29 03:00
2017.10.04 00:35
宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」
138年ぶりにそろう奇跡の名画三部作をみて、アップルがどれだけスゴいかを認識した
しかしアップルは戦略を変更し、iPodを単なるおまけではなく、新たな製品として位置づけた。すぐに仕様を変更し、翌02年に発売した第2世代ではWindowsパソコンにも対応させている。マッキントッシュにとってWindowsパソコンは競合だが、iPodにとっては補完となるからだ。
アップルは、その後、iPod mini、iPod shuffle、iPod nanoと次々にヒットを飛ばし、ついにiPod touchにまで発展させている。三部作どころではない。アップルはiPodシリーズで3連発はおろか5連発もヒットさせているのだ。しかも、iPodシリーズのあとはiPhoneシリーズ、さらにiPadシリーズと、新たなカテゴリーでもヒット3連発を実現している。まさに王道を行っている。
新しいカテゴリーを切り開いても、一発屋で終わってしまってはもったいない。ひとつでもヒット商品を出すのは大変なことだ。しかし、そこで油断してはいけない。立ち止まってはいけないのである。いかにヒットを連発し、そのカテゴリーでリードを続けられるか、いわゆるカテゴリーキングになれるかが重要なのである。
そのためにも、三部作は確かに重要なのだと、岡田美術館で「品川の月」「吉原の花」「深川の雪」の三部作を見ながら考えさせられた夏であった。
(文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授)
【参考文献】
1.歴史秘話ヒストリア、NHK、2014年3月5日放映
2.『カテゴリーキング Airbnb、Google、Uberはなぜ世界のトップに立てたのか』アル・ラマダン他(著)、集英社(2017/9/26)
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