新幹線、官民一体海外商戦の舞台裏…中国は日本の供与技術を特許出願か

　JR東日本によるインドへの新幹線技術の輸出を後押ししたのは野田・民主党政権。JR東海のリニア技術の採用を米国に売り込んだのは安倍・自民党政権だ。

　葛西会長は安倍氏がまだ官房副長官だった2000年当時に、安倍氏を囲む会「四季の会」を発足させて以来の長い付き合いだ。06年の第1次安倍内閣では、四季の会の財界人が重用されたことでも知られる。安倍氏が病気で首相を退任して影響力を失った後、葛西氏は「四季の会」の後継組織「さくら会」を結成、安倍氏の再登板を働きかけ続けた。

　安倍氏が復活できたのも葛西氏などの経済人脈のおかげといわれている。葛西氏は中国嫌いのタカ派。教育問題や尖閣問題、憲法改正でも安倍氏と波長が合う。安倍氏も一目を置く存在だ。

　安倍首相が日米首脳会談でJR東海のリニアを売り込んだのは、こうした背景があってのことだろう。新幹線の国際商戦の舞台裏は、けっこう生臭い。
（文＝編集部）