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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

女性の商品購入時の情報源、予想外の調査結果…「SNS」はランク外

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
女性の商品購入時の情報源、予想外の調査結果…「SNS」はランク外の画像1「Thinkstock」より

 消費者は商品を購入するとき、何を参考に意思決定しているのだろうか。一般的に、インターネット全盛の現代において、若い世代はネットから発信される情報を参考にしていると予想する人は多いと思うが、果たして本当にそうなのだろうか。

 NTTコム オンラインと立教大学経営学部教授の有馬賢治氏が共同で、興味を持つ商品・サービスの情報取得、購買時に参考にする情報の探索方法等について20~60代の男女にアンケートを実施したところ、興味深い結果を得ることができた。有馬氏の解説とともに見ていこう。

詳細な調査結果はこちら

【調査データ】
調査対象/「NTTコム リサーチ」登録モニター
調査方法/非公開型インターネットアンケート
調査期間/2017年8月8日~8月14日
有効回答者数/1128名(回収率:8.1%)

【回答者の属性】
・男性:48.1%、女性:51.9%
・20代:19.7%、30代:20.8%、40代:21.3%、50代:21.5%、60代:16.7%

男性はネットで、女性は家族の意見で購入意思を固める

 まずは、「興味・関心のあるジャンル」について聞いてみると、男女総合の結果では「インターネット」が1位、次いで「旅行・レジャー」「お菓子、食品」となっており、多くの人がネットに興味・関心を示していることがわかる。

 一方、性別による集計から男性だけの順位を見ると、20~60代の各世代で「インターネット」が1位となっているが、女性の順位では「インターネット」が上位5つに登場したのは50代、60代の3位のみとなっており、総合順位とはやや乖離している印象がある。

「今回の結果では、全体の集計では埋もれていた傾向が、性別の集計から(統計的に有意な差あり)明確に出てきました。この傾向は、その次の質問項目である『興味を持つ商品・サービスが紹介されているメディア』や『商品・サービスの購買を検討する際に参考にする情報源』でもみられました」(有馬氏)

「興味を持つ商品・サービスが紹介されているメディア」の回答結果は、男性はすべての世代で「WEB上の特定のサイトから」が1位、女性は「テレビから」が全世代で1位となった。「商品・サービスの購買を検討する際に参考にする情報源」についての質問では、男性はどの世代も「WEB上の記事(紹介、比較、評価)」が上位を占めているのに対して、女性は「家族の意見」が各世代で漏れなく1位となっている点も面白い。

「この結果から、多くの男性はネットを駆使して情報の取得からスペック・口コミの確認まで自分だけで完結しているのに対し、女性はひとりでは決めずに、家族や友人など身近な人物とコミュニケーションをして、最終的に購入を決める傾向があることを指摘できると思います」(同)

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