「ググる」という言葉すら生み出したグーグル
多額の広告費を手にすることになったグーグルは、さらにカテゴリーの拡大を続ける。
ジーメール、グーグルカレンダー、グーグルマップ、そしてグーグルドキュメント。動画共有サービス「ユーチューブ」を買収し、スマートフォン用OS「アンドロイド」も開発した。グーグルは「検索」というプロダクトを足がかりに、「検索」自体を「“検索”以上のまったく違った何か」に定義し直したのだ。
これは、本書の著者たちに言わせれば「たぐいまれなカテゴリー戦略の実践」である。検索に新たなプロダクトを加え、カテゴリーを創造し、そのカテゴリーに会社そのものをデザインした。「検索する」という意味の「ググる」という言葉が広まっていることからも、グーグルはカテゴリーを代表する存在といえるだろう。
「カテゴリー思考」は、次の3つの要素から成立する。
・プロダクトデザイン…市場が解決してほしいと願う問題にフィットしたソリューションとなる製品や経験を、意図的につくりだす。その目的は優れた「プロダクト・マーケット・フィット」を築き上げる。
・企業デザイン…カテゴリーに合わせた文化や視点を持つビジネスモデルと組織を意図的につくりだす。その目的は「カンパニー・カテゴリー・フィット」である。
・カテゴリーデザイン…新たな市場カテゴリーを意図的に創造し、発展させる。その際、カテゴリーを顧客の頭に浸透させ、彼らがその会社をキングに選ぶように仕向ける。つまり、世論を味方につける戦いである。
この3つをほぼ同時にデザインし、それぞれの要素がバランスよく結び付けば、その企業の成功と価値に対して非常に力強い推進力となるだろう。グーグルは、それをやってのけたのだ。
第3回となる次回は、フェイスブックを取り上げたい。アラブ諸国に革命をもたらす原動力となったことで知られる、このソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の代表格は、どのような成長戦略を取ってきたのだろうか。
(文=編集部)
※本記事はPR記事です。
『カテゴリーキング Airbnb、Google、Uberは、なぜ世界のトップに立てたのか』 Facebook、Google、Salesfroce.com、Uber、VMware、Netflix、IKEA、Birds Eye、5-hour ENERGYやPixarが共通してやってきたことは? 彼らはみな、製品やサービスの新たなカテゴリーを創造し、発展させ、そして支配し続けてきたのだ。