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金融再編の推進者、森長官の挫折
金融庁の森信親長官は、官邸の強い要請で留任し、3年目に入った。麻生太郎財務相、菅義偉官房長官の意向とされる。
15年7月に金融庁長官に就任した森氏は、金融再編の推進者として知られる。地方銀行のトップに対して、ことあるごとに「経営統合は重要な選択肢」と迫り、大型再編の種を蒔いてきた。
地銀は、人口減少や地域の産業の停滞といった根本的な問題を抱えている。今後10年でみると、経営環境はより厳しくなる。金融庁幹部は「ゆでがえるのような状況になる前に、将来像を考えてほしい」と地銀を説き伏せてきた。森氏が目指すのは、県境を越えた地銀の広域再編だ。だが、有力地銀の頭取は、懐疑的な見通しを示す。
「北越銀行に対して統合を“指導”したのは金融庁です。新潟を突破口にして、九州でも公取委に風穴を開けるという高等戦術ですが、うまくいくかは疑問です」
別の有力地銀の元頭取は「第四・北越が2次審査入りしたと公取委が発表した時点で、ふくおかFGの案件はアウトだと直感した」と本音を漏らす。公取は7月に第四・北越の第2次審査入りを公表したが、この時点で審査の難航が予想されていたのだ。
「今回、(第四・北越が)延期を決めたのは遅きに失したかもしれない」との指摘もある。長崎に続いて新潟でも統合が頓挫すれば、金融庁が描く金融再編のシナリオは根本から崩れることになる。
(文=編集部)
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