昨年秋に9年ぶりに復活し、商品争奪戦が繰り広げられたジル・サンダーコラボ「+J」の2021年春夏コレクションを、3月19日から展開するユニクロ。
2月16日には、ユニクロを展開するファーストリテイリングが、ZARAを展開するインディテックスの時価総額を上回る10兆8725億円(終値ベース)を記録し、アパレル業界で世界首位となったことも記憶に新しいだろう。
ユニクロは国内売上高も好調で、20年9月から21年2月の6カ月間の売上高は前年同期比5.6%アップ。コロナ禍においても国内の競合を圧倒する勢いを示している。
しかしそんなユニクロだが、基本的にベーシックデザインのアイテムが多いものの、あまりファッションに詳しくない方では着こなしが難しかったり、着る人によってはダサくなってしまったりする服も少なからず存在している。
そこで今回は「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が、「この春、買ってはいけないユニクロの服5選」をリストアップ。そして、恋愛コラムニストで10年以上のファッションライター経験もある堺屋大地氏に、なぜおすすめできないかを解説していただいた。
今回、以下の3つを基準として選定した。
・ファッションビギナーが着るとダサくなる可能性が高いこと
・“最先端のおしゃれ”すぎて一般ウケしない場合があること
・無理に若ぶっているように見えるなどして女子ウケが悪いこと
国立新美術館 佐藤可士和展 UT グラフィックTシャツシリーズ/1500円(税込、以下同)
日本を代表するクリエイティブディレクターである佐藤可士和氏が、国立新美術館で2021年2月3日~5月10日に展覧会を開催中。そんな佐藤可士和展とUTのコラボレーションシリーズだ。モチーフはポケモン、マーベル、ミッキーマウス、ペコちゃん、キース・ヘリング、アンディ・ウォーホルなどバリエーション豊富。
「佐藤氏のクリエイティブ性を否定するつもりは一切ありませんが、率直にいって大人男性が着るにはキツイなというデザインのTシャツが、このシリーズには多いです。例えば胸元にポケモンのロゴが堂々と入ったTシャツや、『天才バカボン』のバカボンパパが胸元にプリントされたTシャツなどは、オシャレに着こなすのは相当至難の業でしょう。しかし、キース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキアの作品をモチーフにしたTシャツなどもあり、それらは純粋にスタイリッシュでカッコいいとも感じました」(堺屋氏)
日本土産(NIPPON MIYAGE) UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)/990円(値下げ後価格)
日本の有名観光地である渋谷や京都などをアイコニックなデザインに落とし込んだTシャツシリーズ。両国、豊洲、道頓堀などバリエーションは豊富。
「商品名が『日本土産』ですから、そもそも外国人をターゲットにしたアイテムなのは明白。そのため日本人視点で語ること自体が間違っているのでしょうが、あえて日本人視点で語らせてもらうなら、ダサいものが多いです。『両国』という文字と力士が向き合っているプリントや、『豊洲』の文字の部分部分が寿司になっているプリントなど、日本人がオシャレに着こなすのはかなり難しいでしょう。ですが、右胸にワンポイントで小さく『Mt.FUJI』という文字と富士山が描かれたものや、『KYOTO CITY』という文字と茶器セットが描かれたものなどは、着こなし方次第ではオシャレになる可能性も……」(堺屋氏)
ドライカノコポロシャツ(半袖)/1990円
鹿の子素材の定番ポロシャツにドライ機能などをプラスし、シルエット改良なども加えている。カラバリはホワイト、グレー、ダークグレー、ブラック、ピンク、レッド、ナチュラル、ダークブラウン、イエロー、グリーン、オリーブ、ライトブルー、ブルー、ネイビーの14色展開。
「まず大前提として、サラッとした肌触りが快適で完成度の高いポロシャツになっているためとても優秀で、『買うべき』ともいえるアイテムです。でもそれはカラバリの色次第。ピンク、レッド、イエローあたりは若者じゃないと着こなすのが難しいカラーだと思いますので、避けたほうが賢明でしょう」(堺屋氏)
ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ(ダメージ)/3990円
高いストレッチ性を実現し、先細りのテーパードシルエットにしているため足首までピッタリと穿けるジーンズ。ユニクロが誇るジーンズイノベーションセンターのレーザー加工を用いるなど、最先端技術とジーンズ加工のスペシャリストが研究・開発を重ねて生み出されたアイテムとのこと。カラバリはグレーとブルーの2色展開。
「これは人によって『買うべき』『買ってはいけない』が大きく分かれる商品だと感じました。実は店舗でこのジーンズを見かけた瞬間に一目惚れし、購入する気満々で試着室に行ったんです。けれど、結論を言うと自分に合うサイズがありませんでした。まず脚の長さに合うサイズを試着したところ、ピッタリ感がなくダボダボ。次に脚の太さに合わせたサイズを試着したところ、今度は丈が短すぎる。こちらはタイトに穿いて脚のシルエットをキレイに見せるのが醍醐味のため、泣く泣く購入を断念しました。試着することが必須なので、ネットの写真だけを見て購入するのはやめておいたほうがいいでしょう」(堺屋氏)
ウルトラストレッチスキニーフィットカラージーンズ(丈長め84cm)/2990円
ウルトラストレッチ素材を採用しているので締め付け感がなくラクに穿けるうえ、脚のシルエットを細身で見せられるのが特徴。微起毛加工が施され、上品な光沢感もある。カラバリはブラック、ベージュ、オリーブ、ブルー、ネイビーの5色展開。
「こちらも『ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ』と同様に、合うサイズがあれば『買うべき』ですが、自分にピッタリのサイズがなければ『買ってはいけない』商品です。カラバリのなかでも特にネイビーがカッコいいと思ったので、LサイズとMサイズを試着したのですが、Lサイズはダボダボすぎ、Mサイズは丈が短すぎで、購入を断念。スキニーパンツはドンピシャのサイズでないと買う意味がないので、余裕のあるサイズ感で穿くパンツよりも、自分の脚に合うものと巡り合える確率が低いんです」(堺屋氏)
ユニクロはベーシックアイテムが多く、「買ってはいけない」と断言するほどのアイテムはごくごくわずかで、基本的に優秀な「買うべき」アイテムばかり。そのため今回、「買ってはいけない」を5アイテム挙げるのは非常に苦労した。実際、4つ目、5つ目に紹介したスキニージーンズは自分に合うサイズがあれば、自信を持って「買うべき」とおすすめしたいほどの良品。逆に言えばアイテムとしてはオシャレでも、自分のサイズ感と合わなければ、「買ってはいけない」商品になるということを覚えておいてもらいたい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)
※情報は2021年3月12日現在のものです。