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「Thinkstock」より
元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな英単語は「bankbook」です。
税金を賃金の財源とし、まったく喜ばれない税務調査や差押えを繰り返す国税局の職員は、納税者たちから嫌われています。よしんば嫌われていなくとも、好かれることはないでしょう。調査中には、海千山千の納税者から、さまざまな嫌がらせを受けることがあります。本連載記事『国税職員をヘロヘロにした税務調査先会社の「陰険&低レベルすぎる」嫌がらせ』において、コーヒーに塩を入れられる“エチオピアコーヒー”事案を紹介しましたが、一部の悪質ないじめ手法は、これにとどまりません。
準備調査
ある税務署から東京都道318号環状七号線(通称:環七)の外側に出たエリアにある法人に、税務調査を行うことになりました。これは、ひとつの傾向なのですが、環七を越えると納税率が下がります。重加算税も増え、税理士以外の人に確定申告書の作成を依頼する法人も散見されるようになります。
調査を行う際は、まず対象法人の準備調査から始めます。準備調査の段階で、前回の税務調査の記事を確認すると、調査に非協力的である旨の記載がありました。調査の突然のリスケジュール、帳簿の提示に難色を示す、反面調査への激しい抵抗など、新米の調査官の気分を憂鬱にするには十分の内容でした。11月のある日、担当の税理士に連絡して調査日の予約を入れようとするも、折り返しの電話で決まった日程は2カ月後でした。税務署の繁忙期には調査の手を緩めると考えて、確定申告期間が迫る1月にしたのでしょう。
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