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ホンハイ、シャープ再建に成功…たった1年で黒字化の偉業達成

文=編集部
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カーナビ各社は業績低迷

 オンキヨーの17年4~9月期の連結決算の売上高は前年同期比7.5%減の1761億円、営業利益は35.2%増の20億円、最終損益は26億円の赤字(前年同期は9億6600万円の黒字)だった。自動車メーカーにOEM(相手先ブランド名製造)供給するカーナビの販売が落ち込んだ。

 下期は新製品の投入効果で採算が改善するとして、18年3月期の連結決算の業績予想を据え置いた。売上高は前期比1.7%減の3800億円、営業利益は2.4倍の100億円、最終損益は35億円の黒字(前期は50億円の赤字)となる見込みだ。

 主力のカーエレクトロニクス事業の18年3月期の売上高は前期比横ばいの3120億円、営業利益は5億円悪化して100億円を予想している。OEMカーナビゲーションが減収の原因で、OEM比率は前期の60%から56%に低下する。市販カーオーディオは増収を見込む。

 パイオニアはカーナビ用地図を強化する。欧州のデジタル地図大手ヒアと17年10月、資本提携した。パイオニアがヒアの株式の1%未満を22億円で取得。同額でパイオニアの発行済み株式数の3%に相当する新株をヒアに割り当てた。

 ヒアは欧米のカーナビ用地図で8割のシェアを誇る世界大手で、独アウディ、独BMW、独ダイムラー、米インテルなどが出資する。自動運転向けの高精密地図をパイオニアと共通化して世界の自動車メーカーに売り込む。

 パイオニアは音響メーカーとして輝かしい歴史を持つ。高度成長期のオーディオブームでは、スピーカーのパイオニアは、アンプの山水電気(14年に破産)、チューナーのトリオ(現JVCケンウッド)と並び、「オーディオ御三家」と呼ばれた。

 技術力を誇るパイオニアの黄金時代は1997年だ。同年、プラズマテレビを世界で初めて発売した。ブラウン管テレビに取って代わろうという大それたものではなく、あくまで高級品のニッチ市場を狙ったものだ。だが、テレビにニッチ市場は存在しなかった。パイオニアの認識は甘かったといわざるを得ない。

 液晶テレビのシャープ、プラズマテレビの松下電器(現パナソニック)が巻き起こした価格競争の前に、資金力も販売力もないパイオニアは大敗を喫した。プラズマテレビ事業の不振から09年3月期決算で過去最大の1305億円の赤字を計上した。その結果、テレビ事業から撤退し、1万人規模の人員削減など大規模リストラに追い込まれた。

 パイオニアは筆頭株主のシャープ(持ち株比率8.0%)と2位株主の三菱電機(同7.4%)が支える体制になったが、結局、両社とも手を引いた。そして14年、祖業のAV(音響・映像)事業をオンキヨーに売却して撤退した。

 そんなパイオニアは、カーナビの専門メーカーとして再建を目指してきた。市販カーナビの国内シェアはパナソニックの30.3%に次いで、27.7%の2位(日経業界地図2018年版)だ。

 ヒアとの資本提携によりパイオニアは早晩、ヒアの傘下に組み込まれるとみられている。パイオニアの苦闘は18年も続く。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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