(「Wikipedia」より/つ)
「石川聡社長が辞任の意向を固めたもようです。社内外のバッシングがやまず、もろ手を挙げて降参した格好です」(共同通信労働組合関係者)
共同通信は、文春に対して「単なるうわさでいちいち調査します? しないよねえ」などという広報担当の三土正司・総務局総務のずさんな対応も報じられる始末。そしていったん報道されると対応は一転、今藤氏を休職扱いから懲戒解雇処分とし、石川聡社長と伊藤修専務理事らを減給処分にしたと発表した。これで一気に幕引きを図ろうとしたわけだが、それを許さなかったのが、同社の労組だったようだ。
「労組は、5月24日に伊藤修専務らと団体交渉を行っています。席上、専務から経営側の減給処分をもって十分な責任を果たしたと説明があり、労組側は猛烈に反発しました」(前出・労組関係者)
団体交渉では、文春報道があった後に事実関係を公表したことも問題として取り上げられたが、専務側は「女性のプライバシーを最優先した結果で、隠ぺいしていない」などと苦しい答弁に終始。
労組側からは「被害者の女性学生に申し訳が立たない」「こんな会社の姿勢では、政治家や企業の不祥事を扱うなんてできない」ともっともな怒りの追及が爆発。しまいには、労組を代表して委員長が「石川社長は責任を取って辞任すべきとの声が強い。社長本人との団体交渉を要求する」と最後通牒を突きつけたのだ。
前出の労組関係者は「社長の辞任は、報道機関として当然のけじめですね。それよりも、この問題、もっと波紋が広がると思いますよ」と言うと、話をこう続けた。
「編集局の大幹部が『今回の件は大したことではない。かえって共同は有名になった』という趣旨の発言を、社内会議で行ったらしいのです。これに対して社内調査が始まっていますが、こうなったら、徹底的に組織のウミを出し切ってほしいですね」
どちらかというと、これまで地味なイメージで通っていた共同通信。新聞・テレビ各社に記事を送り、報道現場を支えてきた“縁の下の力持ち”の姿を、いまこそ取り戻すチャンスに違いない。
(文=編集部)