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ローソンがファミマを突き放し、セブンをグイグイ追い上げ始めた理由

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 こうしたローソンの取り組みは、消費者から一定の評価を受けているようだ。健康関連商品の売上高は、13年度は600億円で食品全体の6%にすぎなかったが、16年度には2500億円・25%にまで拡大している。より一層の充実を見込み、19年度には3800億円にまで引き上げる計画だ。

 ローソンは健康関連商品を差別化の武器にしようとしていると思われる。王者セブン-イレブンはプライベートブランド(PB)商品を強化することで圧倒的な成長を実現してきたが、ローソンはPBの充実化だけでは太刀打ちできないとみて、成長性があり特色を打ち出せる健康関連商品を充実させることに大きく舵を切ったのではないか。

 この戦略はコンビニ業界内において一定程度の成果を出していると筆者は考えている。健康関連商品が大きく伸びているため、ローソンの日販(店の1日当たり売上高)がセブンやファミリーマートと比べると順調に推移しているからだ。

 ローソンの16年度の日販は54.0万円。セブンの65.7万円と比べて11.7万円も低い。依然としてセブンとの差は大きく開いているものの、ブランパンの販売を開始し生鮮コンビニ宣言を打ち出した12年度以降でいえば、若干ではあるものの差は縮まっている。12〜14年度の差は12万円台だったが、15・16年度は11万円台になっている。

 一方、ファミマとは逆に差を広げ、ローソンが一歩抜き出たかたちとなっている。ファミマの16年度の日販は 52.2万円でローソンのほうが若干高く、04〜11年度までの差は1.6万円未満だったが、12年度以降は1.8〜2.5万円にまで広がっている。少しずつではあるが、ローソンはファミマを突き放してセブンに迫っているのだ。

 これはもちろん、すべてが健康関連商品の影響によるものではない。他の商品・サービスの影響や敵失による影響なども多分にあるだろう。ただ、ローソンの健康関連商品売上高の伸びに鑑みれば、その影響が多分にあったといっても大きな間違いではないのではないか。

 ローソンの健康関連商品売上高が計画通りに伸びていけば、セブンとの日販差がハッキリとわかるかたちで縮まる日が来るのも、そう遠くないのかもしれない。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

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