隠れた大人気商品「茅乃舎だし」の先鋭的経営…六本木の店舗がワンダーランドだ
このパッケージを目にしたことはないだろうか。食にこだわる方や料理好きの方なら、実際に使っているという方も少なくないだろう。だしの「茅乃舎(かやのや)」だ。今回は、福岡にある株式会社久原本家が展開する、化学調味料・保存料無添加の調味料・食品のブランドに関するお話である。
実は我が家でも、かなり前からこのだしを愛用している。佐賀県の鳥栖に住む義母が贈ってきてくれたのがきっかけで、以降は久原本家の通販サイトで購入している。もともとは、福岡の里山にあるレストラン茅乃舎のだしを一般家庭でも使いやすくつくり上げたのが、茅乃舎のだしシリーズである。発売開始は2006年。深くて濃厚な旨み、それでいて化学的ではない素朴で自然な風味がよい。味の良さはもちろんだが、小袋パックが使いやすい。味噌汁や麵つゆなどのだしとして使う以外に、チャーハンや焼きそば、お好み焼きの生地などには、小袋を破って中身のだし粉をそのまま調味料として使える。
自社通販以外では、福岡の本店を筆頭に北は北海道まで、東京、大阪の百貨店や商業ビル内に、全国21店舗で販売している。一般流通よりも自社直販を中心に据えるSPA型の展開だ。このSPAのお話は後ほどゆっくりするとして、まずは、東京・六本木にある茅乃舎・東京ミッドタウン店と、併設されたイートインスペースの「汁や」に行ってみよう。
ここは、全国の茅乃舎のなかでも大型旗艦店である。お店の印象を一言でいうと、そこはまさに「だしのワンダーランド」、見本市のような賑わいである。入口付近に設置された試飲コーナーで、我が家でも愛用している定番の「茅乃舎だし」から試飲。これこれ、やっぱりうまい。うるめいわし、真昆布、かつお節、そして、焼きあご(焼き飛び魚)の4つのだしをブレンドしている。焼きあごの香ばしい香りが鼻に抜けていく感じ。
次におすすめされたのが、一番新しい商品「昆布だし」。北海道産真昆布と利尻昆布の透明感のある薄味に、ほんのり干し椎茸の香りがあわせてある。そして「鶏だし」に「野菜だし」、本枯れ節を使用し、鮪節、焼きあご、利尻昆布でうまみが凝縮された「極みだし」を味わう。こちらの店員さんがまたおすすめ上手なので、ぐいぐい飲んでしまう。小さな紙カップが「おちょこ」であるかのように思えてくるほどだ。その結果、だしに酔っぱらう。