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青色申告の承認取り消し
そこで調査官は、帳簿書類の記帳及び提示がない場合には、青色申告の承認は取消しとなる旨を税理士に伝えました。
所得税法では、青色申告の承認を受けている者は、財務省令で定めるところにより一定の帳簿書類の備付け等を義務付ける旨規定しています。さらに、所得税法施行規則では、現金出納等に関する事項、売上げに関する事項及び費用に関する事項を記載する帳簿書類を備え、これに記載しなければならない旨規定しています。また、所得税法は、青色申告者が帳簿書類の備付けを規定に従って行われていない場合には、青色申告を取り消すことができる旨を規定しています。
当該納税者は、十分な帳簿の提出を行わず、さらに、税理士を経由して「提出した書類がすべてである」と言っており、帳簿書類の備え付けが不十分なことが明白だったため、青色申告の取消しが行われることとなりました。通常、税務調査が行われ、不正があって、重加算税が賦課されたとしても、青色申告が取り消されることはありません。しかし、青色申告の条件である、帳簿の備え付けがない場合は、取り消されることがあります。
当該納税者は、その後の意見陳述で、「無予告で調査に訪れた調査官から帳簿書類の提示を求められたことはなく、5分程度で終了した。また、帳簿書類について記帳していない旨発言したこともない」と嘘を並べたそうです。
上手に嘘を並べても、どこかで事実関係に矛盾が生じます。青色申告の取消は、正しく商いを行う方にとっては致命的。嘘はつかず、正直に申告することをおすすめします。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)
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