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使用済み燃料の受け入れと東通建設が交換条件か
「新々・総特でも、東通原発に他電力会社を相乗りさせることを原発再編の具体例として挙げている。もちろん首根っこを押さえつけて参加しろと言っても、他社がうなずくわけがない。経産省は使用済み燃料の受け入れの交換条件として、東通原発に共同投資させる狙いだろう」(地方電力幹部)
関電関係者は「むつ市の話と東通原発は別。保管に必要な資金を拠出すれば良い話」と煙に巻くが、額面通り受け取る者はいない。国の強烈な後押しでの事業再編で体質改善を急ぐが、東電は「時限爆弾」を抱えている。福島第一原発事故に伴う廃炉・賠償費用だ。従来想定額の2倍の約21兆円まで膨れあがっているが、東電関係者ですら、「ベストケースの甘い試算。ここからさらに3倍程度まで膨らむ可能性もある」とこぼす。
50兆円、60兆円かかるとなれば原発再稼働の気運に水を差しかねないので、曖昧な試算を重ねるが、それでもすでに2倍に膨らんだのだ。いつまでもごまかし続けるわけにもいかず、実態が白日の下にさらされれば東電再生プランは一気に崩れ去る。
17年6月に会長に就任した日立製作所元会長の川村隆氏は、就任時に任期2年の約束で会長職を引き受けたという。おそらく日立の経験から2年で方向性を示せる自負があったのだろう。だが、蓋を開ければ、事業再編は遅れている上に、おそらく在任中に廃炉・賠償費用の見積もりを修正せざるを得ない状況に追い込まれるだろう。2年で道筋を示すのは絶望的な状況だ。果たして、続投してでも東電を蘇生させ「ラストマン」の意地を見せるのか、それとも逃げ出す準備をしているのか。
(文=江田晃一)
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