札幌市は、屋外競技場を取り壊して新球場を建てる案、北広島市は商業施設やキャンプ場を併設した「アジアNo.1のボールパーク」を目指す壮大な新球場計画をアピールした。球団は、候補地を真駒内公園と北広島市の2案に絞って検討すると表明。2018年3月までに一定の方針を出すことにした。
そんななか、1月30日付毎日新聞・東京版朝刊が、「球団が移転先の候補地について、北海道北広島市のきたひろしま総合運動公園に絞り込んだ」と関係者の話として報じた。北広島市の公園は最寄り駅から遠く、交通の便が悪い。球場を建てるには新駅設置などが不可欠になる。北広島市に絞り込んだという報道に真駒内公園派は大反発。その最中に、北広島派と真駒内公園派の板挟みにあった末澤氏の、突然の辞任となった。
「球団の北広島市への本拠地移転報道が、末澤氏の事実上の解任の引き金になったともいわれていました」(関係筋)
前出「週刊新潮」の取材に対し日本ハムは、末澤氏の社長退任の理由について「いろんな心労が重なって辞任しました」とコメントしているが、自身のセクハラ問題に加え、本拠地移転という難題をめぐる心労も影響しているのではないかと、関係筋の間ではみられている。
大谷選手の“功績”
日本ハムの18年3月期の連結決算予想は、売上高が前期比5.6%増の1兆2700億円の増収。営業利益は人件費上昇の影響で520億円と3.3%減の減益だが、最終利益は5.7%増の370億円になる見込み。傘下のファイターズから大リーグ・エンゼルスに移った大谷翔平選手の移籍金22億7300万円が入り、これを収益に計上するため最終増益となる。本業の不振を大谷選手が救ったわけだ。
ファイターズは、怪物ルーキー、清宮幸太郎フィーバーに沸く。数年後、清宮選手のホームランを見ることができる球場は札幌の真駒内公園か、北広島市のボールパークか――。3月中には本拠地の移転先が決まる。
(文=編集部)
【続報】
日本ハムは3月26日午前、東京都内のホテルで取締役会を開き、札幌ドーム(札幌市豊平区)からの移転候補地を、北広島市の、きたひろしま総合運動公園予定地(36.7ヘクタール)とすることを決めた。準備会社として「株式会社北海道ボールパーク」を設立した。2023年をメドに新球場を完成させる。北広島市のほうが敷地にゆとりがあり、建設の自由度が高い上に、北広島市の支援があついことを評価した。同市は球場や練習場の敷地を無償で貸与するほか、10年間にわたる固定資産税の免除、上下水道の整備など幅広い支援策を提示していた。日本ハム、ファイターズはJR千歳線に新駅を建設。球場の周辺にホテル、レストラン、バーベキュー場や住宅を段階的につくっていく計画だ。一方、球団のオーナーは、畑佳秀社長が兼務する。日本ハムは北広島市にアジアNo1.のボールパークを建設する。