2月16日から確定申告が始まる。しかし、佐川宣寿国税庁長官(前財務省理財局長)に学校法人「森友学園」への国有地売却問題に関して国会で虚偽答弁をしていた疑惑が向けられ、確定申告に影響が出ることが懸念されている。
事の発端は、佐川氏が森友学園への国有地売却に関する交渉記録をすでに「廃棄した」と答弁していたこと。交渉記録を提示するように求められていた佐川氏だが、「事案が終了しているため、記録は残っていない」と答えていた。
しかし今年の1月になってから交渉記録が残っていた可能性が浮上。開示された記録のなかには、土地の中の廃棄物などを理由に森友学園側が土地を安価で購入したいと財務省近畿財務局に要求している様子などが記されている。さらに近畿財務局が一度は学園側の要求に対して難色を示したものの、なぜかすぐに方針を変えて協力姿勢になったことも明らかに。
これにより、佐川氏が虚偽答弁をしていたとの批判が噴出。麻生太郎副総理兼財務相は2月13日に行われた衆院予算委員会で、開示された記録について「応接メモとか面会記録ではありません」と説明したが、野党は「これのどこが交渉記録じゃないんだ」と応戦をした。
そして佐川氏がこの疑惑について何も説明をしないまま、自身が長官を務める国税庁で確定申告の受付が始まることに苦言を呈す。「自分は逃げ回って国会にも来ないのに、国民には確定申告に来てくれというのは道理が通らない」「税の信頼が保てるのか?」と責め立てると、麻生氏は苦情が起きる可能性を認めることに。
ネット上ではこの問題について「納税する気にならん」「税金を使用する、税金から給与をもらってるという認識が低い者が税金を納める部署の長をしてたら、払いたくないと言う者が出ても不思議ではない」「税金払いたくないなぁ。佐川の退職金になるのかぁ。払いたくないなぁ」といった声が続出。
さらに小沢一郎自由党代表の事務所公式Twitterは、2月7日に「これから確定申告の時期だというのに国税庁長官は自らの虚偽答弁を認めるのが嫌で記者会見から逃げ回り、財務大臣もそれを許している。納税者には書類を何年も保存するように言っておいて自分達は昨日の書類も捨ててしまう。この国の行政は今、確実に国民の信用を失いつつある」とツイート。
そして元衆議院議員でジャーナリストの保坂展人氏は、自身のTwitterで「『森友文書』は予算委員会で徹底して議論してもらいたい。『廃棄した』『ない』と断言して議論を封じてきた答弁を覆す資料が出てきた今、何が真実だったのかを究明するのは国会の場をおいて他にはない」とコメントした。果たして確定申告にはどのような影響が出てくるのだろうか。
(文=編集部)