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一方で、デメリットもある。各店舗で加工・製造を行う場合と比べると、製品の鮮度の面で劣ってしまう。また、消費者が抱く美味しさのイメージも劣るだろう。そういった面を重視して、たとえば鳥貴族はセントラルキッチンを持たずに、各店舗で串打ちや仕込みを行っている。
ワタミはセントラルキッチンであるワタミ手づくり厨房を最大限活用して原価低減に取り組んだことが業績に大きく貢献したと分析している。稼働率が高まったり、経験が蓄積されていったことで生産性が高まったのだ。また、ワタミ手づくり厨房から弁当を供給するかたちで事業を行っている宅食事業は、これまで減収が続いていたが、17年4〜12月期の売上高は前年比2.7%増の291億円と好調に推移している。ワタミ手づくり厨房が果たしている役割は小さくないだろう。
こうして完全復活に向けた体制が整いつつあるワタミだが、不安要素もある。国内外食事業と宅食事業の売上高は回復の兆しが見えるものの、海外外食事業は減収が続いているためだ。17年4〜12月期の海外外食事業の売上高は前年比36.9%減の56億円となっている。不採算店の撤退や商品政策の見直し、新業態の開発を行っているものの、成果が見えない状況だ。
国内外食事業も予断を許さない。世間の目はまだまだ厳しいものがある。完全復活を遂げるにはもう少し時間が必要だろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。
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