時価総額は老舗百貨店以上か
大創産業は非上場のため財務諸表を公開していないが、売上高の概要は発表している。
17年3月期の売上高は前年同期比6.3%増の4200億円。毎月10~20店の新規出店を続け、年間130~150店の出店を行ったことが寄与した。
国内での1日の来店客数は約200万人、1店舗平均で634人強だ。年間で10億人が来店しているという。毎月500~700アイテムの新商品を投入し、取り扱う商品の数は7万点を超える。全商品の90%以上、雑貨は100%、ダイソーのプライベートブランドだ。
日本の総輸入量の約1%がダイソーの商品と推定され、輸入コンテナは毎日100本以上、年間で約3万7000本を海外から運ぶ。自社の物流センターだけでも年間4万本、取引先の物流センターを合わせると約10万本のコンテナに対応できる体制を整えている。
100円ショップの市場は4社の寡占状態が強まっている。セリアの売上高は1453億円(17年3月期)、キャンドゥは688億円(17年11月期)、ワッツは474億円(17年8月期)。4社合計の売上高は6815億円で、ダイソーのシェアは61.6%と圧倒的に高い。ダイソーは100円ショップ業界のガリバーなのだ。ただ、利益は公表していないので不明である。
ダイソーが上場すれば、どの程度の評価を得るのか。
セリアの時価総額は3712億円(18年3月15日終値)で、高島屋(3636億円)、阪急・阪神百貨店のエイチ・ツー・オー リテイリング(2460億円)を上回る。市場関係者は老舗百貨店よりもセリアを将来性有望な投資先として評価しているということだ。
「100円ショップ」の代名詞であるダイソーが上場すれば、時価総額がセリアを上回ることは確実で、トラック1台で移動販売を始めた「100円男」矢野博丈氏は国内屈指の大富豪となるだろう。
(文=編集部)