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主力モデルが長期販売停止
先行き不安要素のもう一つが、米国に並ぶほどの販売規模にまで育ってきた中国事業だ。18年3月期の中国の四輪車販売は、同11.5%増の145万1000台と過去最高を記録した。「UR-V」「シビック」などの販売が好調だったためだ。順調に伸びていた中国事業に冷や水を浴びせかけたのがリコール問題だ。
ホンダの中国での販売台数がトップのモデルである小型SUV「CR-V」に不具合が見つかり、ホンダは当局にリコールを届け出たものの、受理してもらえなかった。中国ではリコールが認められなければ販売も停止しなければならない。ホンダの主力モデルであるCR-Vが1カ月以上にわたって販売できない状態が続いている。
倉石副社長は「影響は一時的。対策をテストしている最中で、対策のメドはついており、当局の許可をもらってリコールして販売を再開し、挽回したい」と述べ、事業的な影響は限定的との見方を示す。しかし、3月のホンダの中国販売は前年同月比13%減と大幅に落ち込んだ。今後も販売停止が長引けば業績にも影響が及ぶのに加え、品質問題によってホンダブランドにも影響する可能性をはらんでいる。
ホンダの19年3月期の業績は、四輪車販売が同3.4%増の537万5000台と過去最高を更新する見通しだが、営業利益が同16.0%減の7000億円と大幅減益を予想する。売上高営業利益率は0.9ポイントダウンして4.5%と、4%台の低水準に再び戻る。しかも今期の営業減益は為替変動の影響が大きく、「今後、米国の利益率の悪化、中国のリコール問題の状況によってはさらに収益が悪化するリスクがある」と見られている。18年3月期に1兆円を達成したホンダだが、最高益を喜んでいられる状況にない。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
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