ドン・キホーテの手法を取り入れたファミリーマートの展開が始まった。6月1日、「ファミリーマート立川南通り店」(東京都立川市)と「ファミリーマート大鳥神社前店」(東京都目黒区)がリニューアルオープン。同業他社やドラッグストアなどとの競争が激化するなか、売り場づくりに定評があるドンキのノウハウを生かすことで競争力を高める狙いだ。
筆者は大鳥神社前店のオープン初日、実際に店舗を訪れてみた。同店は店舗の上層が病院というビルインタイプの店舗だ。売り場面積は約45坪で、駐車場はない。取り扱い商品数は通常のファミマの約1.5倍となる約4600種類で、このうちドンキ商品は約2700種類だという。
なお、立川南通り店は駐車場付きの店舗で、売り場面積は約47坪。取り扱い商品数は約5000種類で、このうちドンキ商品は約2800種類となる。また、29日には東京都世田谷区の「ファミリーマート世田谷鎌田三丁目店」をドンキ流にしてリニューアルオープンする予定だ。同店の詳細は「準備中」として明らかになっていない。
大鳥神社前店だが、外観は通常のファミマとほとんど変わらない。ただ、入り口の上にある看板の「ファミリーマート」のロゴの横に「PRODUCED BY ドン・キホーテ」のロゴが添えられているのが異なる点だ。
入り口を入ると、左手の壁一面に商品が天井近くまで陳列されていた。壁はガラス張りで本来であれば店内から外を見渡すことができ、通常のファミマでは雑誌が置かれるところだが、同店ではそれを無視して菓子などを一面に陳列していた。このような陳列の仕方は、ほかのファミマ店舗では見られないもので、ドンキ流の陳列手法といえる。
ポップもドンキの手法を取り入れている。黄色地のカードに赤色で価格や「お買得プライス」といった文字が大きく書かれていた。ドンキでおなじみのポップだ。一部の商品はダンボールに入れたまま陳列されていた。これは既存のコンビニでは見られない。
トイレットペーパーも天井近くまで積み上げられていた。トイレットペーパーは、ネピアとドンキのコラボ商品だった。ほかにも、日用品や雑貨、カップラーメン、菓子、お酒などあらゆる商品が天井近くまで陳列されていた。