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RIZAPグループは、なぜ経営不振企業ばかり買収してきたのか。
キーワードは“のれん代”だ。のれん代とは、企業の買収で支払った金額と買収先の純資産の差額をいう。同社が採用している国際会計基準では、高く買収した場合、4年目期首に資産価値を見直し、収益が上がっていなければ減損処理をしなければならない。安く買収した場合は、負ののれん代を利益として一括計上できる。RIZAPグループは、負ののれん代によって利益をかさ上げしてきた。
18年3月期の営業利益は135億円。このうちM&Aによる割安購入益が74億円で、なんと営業利益の55%を占める。負ののれん代が利益をもたらすという、瀬戸流の会計マジックを駆使してきた。
確かに一時的に会計上の利益は出るが、買収資金を借り入れで調達しているため有利子負債は768億円と1年で1.8倍に膨らんだ。株式市場では、急ピッチのM&Aの弊害を懸念する指摘が多かった。
主力のRIZAP関連事業の売上収益は329億円。先行投資の負担が大きく、いまだに営業段階では赤字が続く。負ののれん代で利益を捻り出す“ヤリクリ決算”なのだ。つまり、業績不振企業をピカピカの優良企業に生まれ変わらせることができるかどうかにかかっている。
松本氏がその再生を託された。6月2日付日本経済新聞のインタビューで、RIZAPグループを選んだ理由を、こう語っている。
「瀬戸健社長に尽きる。(中略)瀬戸君はタイプが違うけど、(ソフトバンク社長の)孫(正義)さんの若い頃の雰囲気がある。2人ともじじ殺しだね。とにかくこの人を一流の経営者にしたら面白いと」
プロ経営者、松本氏の「名伯楽」宣言といえる。松本氏の指南よろしきを得て、瀬戸氏は一流の経済人になれるのだろうか。
(文=編集部)
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