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富士フイルム古森会長、買収座礁の説明求める株主を「無視」…ゼロックスと対抗路線へ転換か

文=編集部
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買収計画が暗礁に乗り上げた富士フイルムHDの古森会長の賛成率は93.28%

 米事務機大手ゼロックスの買収計画が暗礁に乗り上げている富士フイルムホールディングス(HD)の株主総会は6月28日、東京・六本木の東京ミッドタウンで開かれた。取締役10名の選任の件など、4つの議案を賛成多数で可決した。

 古森重隆会長兼CEOの賛成率は93.28%、助野健児社長兼最高執行責任者(COO)は94.17%だった。

 総会では、米ゼロックス買収の行方を不安視する株主が説明を求めた。助野社長は「今回の買収案がベストだ」と、従来の考えを繰り返した。ただ、古森氏が口を開くことはなかった。「古森さんの考えを聞きに来た」という株主も多数おり、「古森CEOの説明はないのか」との声も上がったが、古森氏は終始、無表情で沈黙を貫いた。

 米ゼロックスを通常のTOB(株式公開買い付け)で買収すれば、1兆円超の資金が必要になる。古森氏が「現金の支出のないスキームだ」と大見得を切った買収劇だったが、米ゼロックス大株主のカール・アイカーン氏らが「タダで経営権を握る詐欺的スキームだ」と猛反発し、買収交渉は暗礁に乗り上げた。「買収するなら、身銭を切れ」というわけだ。

 米ゼロックスの大株主たちから反発を招いた現金を使わない買収手法について、古森氏から株主総会で一言あってしかるべきなのに、古森氏は沈黙したままだった。助野社長は「統合できなくても、ダメージを受けるのは米ゼロックス(の方だ)」と主張した。だが、当の米ゼロックスは富士ゼロックスとの契約を解消し、単独でアジアに進出する意向を示している。

 一方、富士フイルムは「(米ゼロックスの営業地盤である)欧米に進出する」と対抗策を打ち出した。しかし、消耗戦になることは間違いない。富士フイルムと米ゼロックスが“共倒れ”になる懸念さえ出始めている。

 役員報酬は3人が1億円以上だった。

【連結報酬額】
古森重隆(会長兼CEO)…2億3100万円
助野健児(社長兼COO)…1億7100万円
玉井光一(副社長)…1億1900万円

 古森氏の役員報酬の内訳は、富士フイルムHDが1億4100万円、子会社の富士フイルムが3500万円、米ゼロックスとの合弁会社である富士ゼロックスが4900万円、子会社の富山化学工業300万円などだった。
(文=編集部)

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