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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

バーバリー、年間42億円分におよぶ自社商品廃棄の「本当の理由」

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

批判されたら即対応するのもイメージ戦略

――約42億円を無駄にしてまでブランドイメージを守りたかった?

有馬 その通りです。この場合、ひとたび安売りされるイメージがつくと、消費者からは「待っていれば安くなる」ブランドだという印象が想起されるようになってしまいます。すると、常に定価販売される高級ブランドとして受け入れてもらうことが難しくなってきます。エルメスなども、公式に流通している商品は免税店以外で定価よりも安く買うことは至難の業といえるほど価格管理を徹底しています。

――ブランドイメージの維持は本当にデリケートなものだということがわかりました。

有馬 良いイメージは日頃の積み重ねでしか構築できない半面、悪いイメージは誇大に消費者に反応されてすばやく浸透してしまいますからね。ですから、バーバリーの廃棄の件はブランドイメージ維持のためには苦肉の策だったといわざるを得ません。ですが、このように明るみとなって、さらにエコの観点から世間から批判的な目で見られていることがはっきりした以上、企業として対応を変えざるを得ないでしょうね。これで今後も廃棄を続けるのなら、更なるイメージダウンを進めてしまうことになります。

――アパレルブランドに限らず、どの業界でもこういった対応の難しさに直面しているということですね。

有馬 そうですね。批判されたときにどう対応するかも、ブランドイメージ維持の面では非常に大切だということです。

――ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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