銀座はホテルの進出ラッシュ
20年の東京オリンピック・パラリンピックや、その先をにらみ、銀座はホテルの進出ラッシュとなっている。
三井不動産は17年10月、銀座8丁目の旧日航ホテル銀座の跡地に、宿泊特化型の新ブランド「ホテル ザ セレスティン銀座」を開業した。客室は104室で、広さは23.5平方メートルからだ。
高級ブランドや老舗の店が軒を並べる銀座の並木通りに、今年1月22日「ハイアット セントリック 銀座 東京」がオープンした。昨年10月に竣工したばかりの「東京銀座朝日ビルディング」(中央区銀座6丁目)に入る。同ビルの敷地は、朝日新聞が東京で創刊した年に社屋を構えた創業の地だ。二葉亭四迷や夏目漱石、石川啄木といった文豪や詩人たちが、ここで働いていた。
同ビルは地下3階・地上12階建て、延べ床面積は1万8000平方メートル。設計・施工は鹿島建設が手がけ、「銀座の街並みに調和した品格と格調ある外装に仕上がった」と自慢する。
3~12階に入るホテルの経営は、ホテルエリアを賃貸するオリックス不動産がハイアット・ホテルズ・アンド・リゾーツに運営を委託した。「セントリック」は、米ホテル大手のハイアットが15年1月に立ち上げた新しいホテルブランドで、アジア初進出。客室は164室(35~127平方メートル)。30~40代を中心に幅広い年代の旅行者をターゲットとし、平均で1泊4万円台を想定している。
海外旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)グループは2月1日、ロボットホテル「変なホテル東京 銀座」を開業した。東京メトロ有楽町線新富町駅から徒歩2分。ビジネスパーソンや個人で行動する訪日観光客の利用を見込み、全98室のうち61室を1人用とした。宿泊料金は1室7000円から。
フロントには、従来多く配置してきた恐竜型ではなく、女性の人型ロボットを2台配置。床清掃や窓拭き、空気清浄用のロボットも導入した。同規模のホテルの4分の1の計7人が交代で運営する。「変なホテル」は、長崎県佐世保市のレジャー施設、ハウステンボス(HTB)で始めて導入し、人気を得た。その勢いで全国展開を開始し、変なホテルとして銀座は5カ所目である。
東京建物は11月9日、「ザ・スクエアホテル銀座」を開業する。東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅から徒歩1分。地上16階建で、延べ床面積5700平方メートル、客室数は182室。
ホテルの運営は、ソラーレ ホテルズアンドリゾーツが行う。米企業再生ファンド、ローンスターの子会社で、地産から引き継いだ「チサンホテル」を中心に、外資系企業としては最多のホテルを保有している。
阪急阪神ホテルズは銀座8丁目に宿泊主体型ホテル「レムプラス銀座」を19年冬に開業予定。地上16階、地下1階で客室数は238室。
大手不動産デベロッパーの森トラストは、20年春に米マリオット・インターナショナルに運営を委託し、高級ライフスタイルホテル「東京エディション銀座」を銀座2丁目に開業する。エディションはマリオット系としては最上級と位置付けられているブランドだ。
東武鉄道と米マリオット・インターナショナルは、20年夏に「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座」を銀座6丁目に開業する。地上15階、地下2階、客室数は296室。運営は東武ホテルマネジメントが担当。ACはアジア初進出の若者向けホテルだ。
マリオットは、高級ブランドは森トラスト、若者向けブランドは東武鉄道と組んで、銀座に進出する。