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長男に続いて、次男も入社

ユニクロ、後継者候補流出で世襲人事?贈与税逃れ疑惑も 柳井商店化で最強の同族経営?

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 05年以降、日本ゼネラル・エレクトリック副社長だった松下正氏(51、現コクヨ取締役)など、大企業の役員クラスをスカウト。しかし、数年で退職する者が相次いだ。その結果、常勤取締役は柳井氏1人で、あとは全員社外取締役といういびつな取締役の構成になった。柳井氏の参謀は、社外取締役の半林亨氏(75)。元ニチメン(現双日)の社長。中国に太いパイプを持つ。原料を安く調達し、現地の工場で製造するという生産体制は、彼が支えているといっても過言ではない。

 大企業の出身者が次々と去っていったため、後継者は社内から選ぶ方針に転換した。大企業の出身者がユニクロから次々と脱出したのは、上場会社とは名ばかりの”柳井商店”そのものだったからだ。

 前期決算(11年8月31日時点)の株主構成(持ち株比率)を見ると、柳井正氏が26.68%、長男の一海氏と次男の康治氏が各4.51%、柳井氏の妻の照代氏が2.19%、資産管理会社の有限会社Fight&Stepが4.48%、有限会社MASTERMINDが3.40%。柳井氏の一家が、合計で45.77%の株式を保有していることになる。

 さらに日本トラスティ・サービス信託銀行の8.54%、日本マスタートラスト信託銀行の7.42%、資産管理サービス信託銀行の2.57%は「全て信託業務によるもの」(有価証券報告書)。信託銀行名義の分を合わせると64.30%となり、株の大半をファミリーで押さえている構図だ。「会社=オレのもの」という点では普通の中小企業と同じだ。

 大企業出身者が見切りをつけて逃走したのは、このような「日本で最大、最強の同族企業」であることと無縁ではない。大企業の企業文化の下で育った彼らには、同社の企業風土は想像を絶するものだったに違いない。

 半年後の中間決算(12年2月29日時点)の株主構成は、大きく変動する。柳井正氏の持ち株比率が21.67%に減り、妻の照代氏は上位10位の大株主から消えている。代わって、テイテイワイマネージメントビーヴィが5.01%の第5位の大株主として浮上した。

 柳井氏は、自身が保有するファーストリテイリング株531万株をオランダ国籍のテイテイワイに譲渡した。譲渡した目的は「配当金を主な原資として、社会貢献活動を永続的にかつ幅広くグローバルに実施すること」だが、額面通り受け取る向きは少ない。「実際は節税対策なのではないのか」という指摘だ。

 オランダには資本参加免税制度というものがあり、発行済み株式の5%以上を継続保有していれば、配当および売却益は非課税。ファーストリテイリングの今期(12年8月期)の予想配当は1株260円。テイテイワイが受け取る配当金は13億8060万円。それが非課税になる。さらに5年以上親子が海外に居住した場合、法人から子への株式譲渡についても贈与税はかからない。今後、柳井親子が、海外に5年間居住すれば、その可能性が出てくる。

BusinessJournal編集部

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