セブンイレブンは加盟店への“ひどい仕打ち”をやめるべき…近隣地域への多店舗出店も問題
現在、大きな社会問題となっているコンビニエンスストアの24時間営業。みなさんは賛成もしくは反対、どちらの立場だろうか。
日本経済新聞社が調査会社マクロミルに委託した調査結果によると、7割を超える人が24時間営業の見直しに賛成している。賛成理由としては、「人手不足なら仕方がない」「苦しむ加盟店オーナーへの同情」「環境への負荷削減」などが上がっている。また、営業時間に関しては、開店6時、閉店24時と回答する割合がもっとも多い。
デモグラフィック(人口統計学的)属性に注目すると、都市部において賛成する傾向が高く、また若い世代ほど賛成の割合が下がっている。
今回のコンビニ24時間営業問題は、東大阪市にあるセブン-イレブンのフランチャイズ加盟店が、人手不足により、やむなく営業時間を短縮したことに対して、セブン本部が契約違反だとして契約解除と違約金の計1700万円を求めたことが発端となった。
その後、問題の拡大を受け、セブン本部は訴えを取り下げ、これまで頑なに主張してきた24時間営業に関しても、営業時間短縮に関する実証実験を行うなど、柔軟な姿勢を見せている。
しかしながら、今回の問題により、セブン本部がイメージダウンなど、大きな損害を被ったことは間違いない。
イメージダウンは回避可能だった
もちろん、世の中には回避することが難しい問題も数多くあるが、セブンの問題は十分に避けることができたはずだ。
今回、問題となった加盟店の場合、店の手伝いをしていたオーナーの奥さんが昨年亡くなり、オーナー自身は連日16時間超えの勤務を続けるといった状況に陥り、本部に救援を要請したがそれが叶わず、やむなく19時間営業(午前1時~6時の間は閉店)に変更していた。
セブン本部がこうした事態を深刻に受け止めていれば、救済する方法はいくらでもあったであろう。この件にかかわったセブン本部のスタッフは、本当に人として寄り添い、助けようとしたのだろうか。大きな組織の一員として、単にルールを守るように指示しただけではなかったのか。
百歩譲って、助けることができなかったとしても、「契約解除と違約金の計1700万円を求める」のは、あまりにひどい仕打ちではないだろうか。
セブン本部が当たり前の常識を持ち、この問題に対処できていれば、容易に避けることができたはずだ。
もっとも、この問題には過去に明確な伏線があった。ずいぶん昔の話になるが、加盟店が消費期限の迫った弁当などの商品を値下げして販売し、これをセブン本部が妨害したことに対して公正取引委員会が、独占禁止法で禁じられている「優越的地位の濫用」にあたるとして排除措置命令を出したことがあった。
もちろん、見切り販売には消費者の買い控えやブランドイメージの低下といった、本部・加盟店を含めたセブン全体に対する負の側面もある。しかしながら、“コンビニ会計”と呼ばれる特殊な会計の仕組みでは、見切り販売により加盟店は支出を減らすことができるが、逆にコンビニ本部では収益を悪化させる側面がある。こうした事態を避ける目的もあり、セブン本部は見切り販売を妨害したものと考えられる。