確かに建デポの買収で売り上げは増えるが、建デポが赤字のため利益面では重荷になるとの指摘がある。建デポの経営を建て直し、早期に黒字転換することが求められている。
コーナンの営業部門別の売り上げを見ておこう。ホームセンター部門の19年2月期の売り上げは18年同期比0.3%増の2663億円と横ばいだった。一方、コーナンPROは同21.0%増の505億円と伸びている。業者が現場に行く前に立ち寄ることができるようにするため、開店時間は朝7時と一般店よりも早い。建デポが加わることでPRO部門の売り上げは単純合算で840億円規模となる。
LIXILビバとの関係に注目
ホームセンター業界の市場規模は年間約4兆円で頭打ち状態だが、店舗数は増え続けている。地方の中堅企業が単独で生き残るのは一段と難しくなっており、業界再編が必至だ。
DCMホールディングスは2006年、ホーマックとダイキとカーマが経営統合して発足した。15年にサンワード、16年にくろがねやが合流。17年にケーヨーを持ち分法適用会社とした。DCMの19年2月期の売上高は4386億円で国内首位である。
2位はベイシアグループのカインズ(18年2月期の売上高は4142億円)。ベイシアグループはスーパーのベイシア(旧いせや)を母体に29社で構成する流通企業。19年2月期のグループの総売り上げは8887億円だ。
3位はコメリ(19年3月期の売上高は3468億円)。4位のコーナンが僅差で後に迫っているが、建デポの買収でコーナンがコメリを逆転しそうな勢いだ。
建デポはコーナンの傘下に入って再出発することになったが、LIXILグループには建デポとは別に、旧トステム系のホームセンター、LIXILビバがある。LIXILビバの19年3月期の売上高は1809億円で東日本が中心。LIXILビバもプロ用建材に強みがある。
首都圏のホームセンター市場を俯瞰すると、ジョイフル本田が超大型店を展開中。19年6月期の売上高は1495億円の見込みだ。
ホームセンターは主戦場となった関東の陣取り合戦で、どこが勝利するかに関心が集まる。今後もLIXILビバとジョイフル本田の動向から目が離せない。東上作戦を進めるコーナンがLIXILビバに触手を伸ばすと予想する向きもある。
(文=編集部)