ドラッグストア業界の動きが目まぐるしい。
4月26日、マツモトキヨシホールディングス(HD)とココカラファインは、資本業務提携に向けた協議を始めると発表した。これに触発されてか、約1カ月後の6月1日、スギ薬局を展開するスギHDがココカラに経営統合を申し込み、協議を進めると発表。さらに、わずか4日後の 5日、マツキヨHDはココカラに経営統合も含めて協議を進めることを打診し、合意が得られたと発表した。
ココカラは両社とそれぞれ並行して協議を進めていくとしており、マツキヨHDとの資本業務提携または経営統合の道を選ぶのか、それともスギHDとの経営統合の道を選ぶのかの選択に迫られている。ココカラをめぐって、マツキヨHDとスギHDが争奪戦を繰り広げているかたちだ。一方で、3社による巨大な企業連合に発展する可能性もある。
3社がどのような結論を出すのかはまだわからないが、ドラッグストア業界ではM&A(合併・買収)による規模の拡大競争が起きており、再編は必至の情勢だ。
そんななか、M&Aで急速に勢力を伸ばしているのがウエルシアHDだ。2018年度の売上高は7791億円。業界首位となる公算だ。2位となりそうなのがツルハHDで、18年度の業績はまだ公表されていないが、売上高の見込みは7716億円としている。3位となりそうなのがコスモス薬品で6100億円を計画。4位は5880億円のサンドラッグになる見込みだ。
かつて長らく首位に君臨していたマツキヨHDは上位4位内には入らない見込みだ。18年度の売上高は5759億円で5位になる公算。同社は近年、M&Aを控えていたため、積極的にM&Aを仕掛けてきたウエルシアHDなどに次々と抜かれてしまったのだ。
5位のマツキヨHDの後には4884億円のスギHDが6位に、4005億円のココカラが7位に続く見通しだ。